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LIXILとUSAIDがグローバルな衛生環境の改善を加速させる「Partnership for Better Living」を発足

作成者: LIXIL|2022年04月12日

株式会社LIXIL(以下 LIXIL)と米国国際開発庁(USAID)は、世界の衛生環境の改善を目指す新たなパートナーシップ「Partnership for a Better Living: Affordable, Accessible, Adaptable Sanitation Solutions」を発足しました。今後5年間を活動期間とする本パートナーシップは、低所得者層向けの衛生市場の確立を目的としたものです。LIXILはUSAIDによる1,000万ドル(約12億円)の助成金を通じて、SATOブランド製品のサプライチェーンを強化するとともに、手の届く価格帯で(Affordable)、地域によって異なるニーズに対応した(Adaptable)衛生ソリューションの提供拡大を図り、トイレや手洗いへのアクセス性(Accessibility)の向上に貢献します。

世界では、約5人に1人にあたるおよそ17億人が、安全で衛生的なトイレのない環境で暮らしています1。また、世界人口の3人に1人にあたる約23億人が、家庭で基本的な手洗い設備を利用できていません。不衛生な水や劣悪な衛生環境が原因の下痢性疾患により、毎日700人以上の子どもたちが命を落としています2。

「2030年を見据えたグローバルな水と衛生課題に対する目標を達成するためには、世界全体でこれまでの4倍の速さで取り組みを推進していく必要があります。USAIDでは、このような課題を解決するために革新的で新しいアプローチを用いながら、持続可能な衛生市場の発展を目指しており、LIXILやSATOブランドとのパートナーシップは大きな意味を持つと考えています」と、USAIDの副長官補兼暫定グローバルウォーターコーディネーターのJeff Goldberg氏は述べています。

米国連邦政府機関であるUSAIDは、人命救助、貧困削減、民主的ガバナンスの強化や援助の先にある人びとの発展を支援する国際開発および人道的取り組みを主導しています。同機関では、開発課題の根本原因に対処するべく、民間部門とのパートナーシップを通じて、持続可能で、地域によって異なるニーズや生活様式に適したマーケット主導のソリューションの推進に投資しています。地域を主体とするアプローチにより、住民が自ら供給や調達を行えるような仕組みを構築することで、人びとの基本的なニーズを満たす安価で適切な製品を入手しやすくなります。

LIXILの社長兼CEOの瀬戸欣哉は次のようにコメントしています。「新たに発足する『Partnership for Better Living』は、民間企業が公共機関や地域社会と連携し、社会課題の解決に向けて真の意味で貢献できることを示す取り組みだといえます。持続的な変化をもたらすためには、製品開発やサプライチェーンの拡大に加え、現地の人びとの生活の質を向上させることができるようなビジネスとして展開する必要があります。そしてこのようなビジネスこそが、世界中の人びとの豊かで快適な住まいの実現に貢献するものだと考えます」

今回のパートナーシップは、2020年10月にLIXILとUSAIDが締結した連携協力覚書や過去の短期共同プロジェクトを発展させたものであり、両者の協力関係が新たな局面を迎えたことを意味します。 これは、USAIDとLIXILが持つ独自の専門知識、リソース、影響力を活用し、低所得層の衛生環境を改善し、衛生市場を確立するという共同ミッションを推進するものであり、2026年までに最大11カ国で約200万人の衛生環境を改善することを目指します。

SATO事業部、リーダーのErin McCuskerは次のようにコメントしています。「この新しいパートナーシップは、アフリカやアジアにおける課題に対応しながら、何百万人もの衛生環境の改善を可能とするものです。私たちは、LIXILの存在意義(Purpose)の実現に向けて取り組んでおり、この活動を通じてトイレや手洗い製品のサプライチェーンの構築に関する実証を行い、今後、地域を超えて再現性の高いアプローチの確立を目指していきます」

SATOブランドは、社外から高い評価を受けている既存のイノベーションの展開に加え、現地のニーズにあわせた新製品の研究開発と実証試験を推進します。また、各市場における職人や配管工の育成、女性起業家や中小企業のためのビジネス機会の創出など、供給網の強化にも取り組んでいく予定です。地域に根差した活動として、衛生環境の改善に対する人びとの意識を高め、労働者のスキルを向上させることで新たな衛生市場を構築し、現地の人びとが自主性を持って継続的に衛生環境を向上させることを目指しています。LIXILは、USAIDの助成金を活用しながら資金と製品を共同で投入し、「Partnership for Better Living」の目標の実現に向けて取り組むとともに、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献します。

USAIDは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大や気候変動などの課題が続く中で、パートナー国が安全な水と衛生サービスを最も必要としている人びとに提供し、水資源を持続的に管理できるよう「Water for the World」の取り組みを通じた支援を行っています。2008年以来、USAIDのパートナーシップによって5,900万人が持続可能な飲料水サービスを利用できるようになり、4,400万人が改善された衛生施設を利用できるようになりました。

LIXILは、2016年にコーポレート・レスポンシビリティ戦略の3つの重点取り組み分野の一つとして「グローバルな衛生課題の解決」を設定し、2025年までに衛生課題を解決するソリューションを通じて、1億人の生活の質を向上させることを目指しています。

LIXILは「グローバルな衛生課題の解決」の取り組みを牽引するソーシャルビジネス「SATO」を展開し、開発途上国の農村部や都市周辺部において、安価で魅力的なトイレや手洗い機器といった衛生ソリューションを提供しています。「SATO」は、地域で持続可能な変化をもたらす衛生市場の確立を推進するため、ビジネスモデル” 地域におけるMake(作る)、Sell (売る)、Use(使う)というビジネスモデルを推進しています。地域住民が重要な役割を担うSATO事業を通じて、下水道や基本的な衛生設備にアクセスがない地域や、従来の汲み取り式トイレを使用している地域で事業を展開し、これまで41カ国において2,500万人以上の利用者の衛生環境を改善してきました。


低所得地域特有の課題を解決する軽くて耐久性に優れたSATOブランドの製品には、水まわりの分野におけるLIXILの専門性が活かされています。 



加えて、同事業では、COVID-19の感染拡大の初期段階で、手洗い設備のない家庭で感染症予防に有効な手洗いの実践と普及を可能にするため、初の手洗いソリューション「SATO Tap」を発表しました。この度発足したパートナーシップの活動範囲には、「SATO Tap」の生産・流通の拡大や、手洗いの重要性の訴求や行動変容を促す活動も含まれています。

※1 JMP統計「Progress on household drinking water, sanitation and hygiene, 2000-2020」に基づく(Open defecation、Unimproved、Limitedの合計)
※2 JMP統計「Progress on household drinking water, sanitation and hygiene, 2000-2020」に基づく

詳しくは、SATOのウェブサイトをご覧ください。