空き家問題をリノベーションで解決し、地域の活性化へ貢献
株式会社LIXIL(以下 LIXIL)は、地場工務店の匠が手掛けた断熱リノベの実例集『断熱リノベの匠』を展開いたします。そしてこの度、第1弾として、SW(スーパーウォール)工法リフォーム加盟店の株式会社大黒屋 木づつみ(代表取締役 袖野 伸宏)が手掛けた築50年の空き家をフルリノベーションした事例を公開しましたので、お知らせします。
武蔵野の面影を残す、東京・東村山で、創業36年となる地域から愛される工務店「大黒屋 木づづみ」。“地域の家づくりは地域の工務店がつくる”をモットーに、東村山の暮らしを豊かにすることに情熱を注ぐ匠(たくみ)・代表取締役 袖野 伸宏 氏は「空き家」に注目した。
時が止まったままの空き家は、老朽化し、雑草が高く伸び、窓ガラスが割れているなど、景観の悪化につながる。そこで、袖野氏は空き家をリノベーションして新たな命を吹き込み、再び人が集う場をつくり、地域活性化に力を注いでいる。
文化複合スペース「縁ひらく庭 百才(ももとせ)」は、もともと空き家となっていた古民家を何とか残して活かしたいという想いが、人の輪を広げ、地域を巻き込んだプロジェクトにより誕生。その中心人物のひとりとなった袖野氏はリノベーションなどを担当した。クラウドファンディングにも挑戦し、多くの地元住民の支援によって、たくさんの笑顔が生まれる場として蘇った。
代表取締役 袖野 伸宏 氏
20歳から大工として腕を磨き、その後監督という立場で現場に携わりながら、現場管理や一期一会の大切さを学ぶ。34歳で社長に就任。家づくりで大切にしていることは「暮らす人・家族にとって“本当に良い家”」を追求すること。
袖野氏率いる「大黒屋 木づつみ」は、これまでも新築の高性能住宅を手がけているが、新しく生まれ変わった住まいをもっと好きになるリノベーション(Re:暮らし)にも力を入れている。
今回紹介するのは、築50年・2棟並ぶ空き家の再生。25年もの長いあいだ放置されてきたこの住宅は、老朽化により街並みを崩す要因となっていた。そこで袖野氏はこの物件を買い取り、リノベーションでも心地よく暮らすことができるよう、断熱や気密、耐震にすぐれた高性能化とともに、自然エネルギーを利用して快適な住環境を整えるパッシブデザインを取り入れて設計した。お客様に暮らし心地を体感していただくモデルハウスとしてフルリノベーションを行った。
今回のリノベーションにおける、こだわりポイントは3つ、「心地よく、ストレスフリーな家」「“もしも”に備えた安心して住める家」「唯一無二のお気に入りがある家」であること。
特に年間を通して快適で安心して暮らせる家にするために、築50年の構造体を大工が手作業でひとつひとつ新しいものと交換・補強。壁材には「スーパーウォールパネル」を入れ、サッシは樹脂とアルミのハイブリッド窓「TW」を採用するなど、LIXILの「まるごと断熱リフォーム」により高性能化を実現した。さらに、空間デザインや動線のひと工夫で暮らし心地をワンランクアップするなど、これまでのリノベの想像を超える快適・健康・省エネ・安心のすべてを叶える暮らしを可能にした。
こうした断熱リノベの進化は、空き家問題の解決策としてはもちろん、住まいづくりの新しい選択肢になるのではないだろうか。
築50年(1971年着工)の2軒を1軒の住宅に再構築し、新築同然のモダンな住宅に。工期はおよそ5ヶ月。
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Reform Data
床面積:延床 109.63㎡ 1階 65.73㎡ 2階 43.90㎡/木造2階建/築年数:1971年着工・築50年/エリア:東京都/断熱リフォームによる性能改善:省エネ区分 6地域
改修前3.89W/㎡K→改修後0.5W/㎡K