株式会社LIXIL(以下 LIXIL)は、環境への影響に関するグローバルな情報開示システムを運営する国際的なNGO(非政府組織)CDPによる「気候変動」に関する調査において、最高評価であるAリスト企業に選定されました。「気候変動」分野においてAリストに選定されたのは、世界346社で、このうち日本企業は109社となります。また、「水セキュリティ」分野に関しては、LIXILはB評価を獲得しました。
CDP(Carbon Disclosure Project)※1は毎年、機関投資家と協働して世界の主要な企業を対象に気候変動、水資源、森林保全に関する事業リスクおよび事業機会などのデータを収集・評価しています。これは世界的な水の問題に対応した、各企業の事業活動、製品およびサービスを通じた水資源保全の取り組みを含みます。
LIXIL Chief Environmental Impact Officerの迎 宇宙は次のようにコメントしています。「この度、CDPの気候変動の分野において初めて、最高評価となるAリストに選定されたことを大変光栄に思います。LIXILでは、環境戦略を事業活動へ統合することを優先課題に据えた取り組みを推進しており、今回はその姿勢と実績が高く評価されたと考えています。持続可能な住まいと暮らしの実現のためには、自社の事業プロセスや製品、サービスを通じて、環境課題に積極的に対処していくことが重要です。当社では、2023年3月期に、LIXIL環境ビジョン2050の達成に向けた中期目標を発表して以来、目標達成に向けて着実に前進してきました。今後も引き続き、ビジネスパートナーやエンドユーザーをはじめ、様々なステークホルダーとの連携を強化し、持続可能な製品やソリューションの提供を通じて、地球環境へのインパクト拡大に取り組んでまいります」
LIXILは、「水の保全と環境保護」をインパクト戦略の優先取り組み分野の一つと位置づけ、環境面での取り組みを全社で推進しています。また、2050年を見据えた環境ビジョン「Zero Carbon and Circular Living(CO₂ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、気候変動対策を通じた緩和と適応、水の持続可能性を追求、資源の循環利用を促進することを重点領域として定めています。さらに昨年新たに、これら3つの重点領域について「事業プロセス」、「自社バリューチェーン」、「インパクトの拡大」の各フェーズごとに中期目標を設定し、活動を強化しています。
当社が掲げるCO₂の削減目標は、国際的な気候変動イニシアチブであるScience Based Targets initiative(SBTi)が定めた、産業革命以前からの世界の気温上昇を1.5℃に抑えることを目指す「1.5℃水準」に合致しており、昨年SBT認定を更新しました。また、従来から事業プロセスにおけるCO₂排出量削減に向けて、再生可能エネルギーへの切り替えを推進しており、2022年3月期には約16%だった再生エネルギーの使用比率は、2023年度3月期には約26%に向上しています。このように当社は、環境リスクの低減に取り組むことで企業責任を果たすだけでなく、新しい価値を創造し、地球環境や社会へのインパクトを最大化することを目指しています。
製品とソリューションを通じたインパクトの創出
LIXILでは、CO₂排出量の削減に貢献することができる、先進的な製品の提供に注力しています。廃プラスチックと廃木材を融合した循環型素材「レビア」を使った舗装材「レビアペイブ」は、こうした製品の一例です。「レビア」は、廃プラスチックや廃木材を原料としており、これらの廃棄物を有効活用することで、従来型のリサイクル手法と比較すると、発生するCO₂を大幅に削減することができます。さらに、これまで再資源化が難しいとされてきた廃プラスチックを新たな資源としての活用を推進します。
加えて、日本で初めて※2原材料すべてにリサイクルアルミを使用することに成功した低炭素型アルミ形材「プレミアル R100(PremiAL R100)」は、従来の新地金利用と比較して調達から加工に及ぶ全工程で80%の消費エネルギーとCO₂排出量を削減することが可能です。LIXILは、脱炭素・資源循環型社会の実現に貢献する取り組みの一つとして、2031年3月期にアルミリサイクル率100%を達成するという目標を掲げており、「プレミアル」シリーズはこの達成に大きく貢献しています。
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左)プラスチックと廃木材を融合した循環型素材「レビア」
右)リサイクルアルミ使用比率100%の低炭素型アルミ形材「PremiAL R100」
今後も、LIXILは「豊かで快適な住まいの実現」に向けて、循環型のものづくりと持続可能な製品を通じた環境負荷低減と地球、社会全体へのインパクトの最大化を推進していきます。
CDP2023 Aリストに選定された企業一覧はこちらをご覧ください。
その他の社外評価についてはこちらをご覧ください。
LIXILのインパクト戦略に関する取り組みの詳細はウェブサイトをご覧ください。
※1 CDPは、企業や自治体の環境情報開示のための世界的なシステムを有する国際的な非営利団体です。2000年の設立以来、CDPは、資本市場と企業調達を利用して、企業が環境への影響を開示し、温室効果ガスの排出削減、水資源の保護、森林の保護を行うよう動機付けを行っています。現在では136兆米ドル以上の資産を保有する740を超える署名金融機関と協働しています。2023年には、世界の時価総額の3分の2に相当する 23,000社以上、そして1,100以上の自治体を含む、世界中の24,000を超える組織がCDPの質問書を通じて環境情報を開示しました。CDPはTCFDに完全に準拠した質問書に基づく世界最大の環境データベースを有し、CDPスコアはゼロカーボン、持続可能でレジリエントな経済を構築するために投資や調達の意思決定に広く活用されています。CDPは、科学に基づく目標設定イニシアチブ(SBTi)、We Mean Business連合、低炭素推進機関投資家イニシアチブ(The Investor Agenda)、ネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアチブ(Net Zero Asset Managers Initiative)の創設メンバーです。
※2 2023年4月時点、自社調べ