子どものウェルビーイング向上のために必要な體(からだ)の変化にまつわる
健康教育の絵本を制作し、特別授業を開催
プライベートゾーンを清潔に保つ方法の一つとしてビデの大切さを発信
株式会社LIXIL(以下、LIXIL)は、慶應義塾大学 環境情報学部 中澤研究室との共同研究「ウェルビーイング健康情報教育プロジェクト」を始動し、この度、體(からだ)の変化にまつわる健康教育の折り畳み絵本を制作し、公開しました。
また、この絵本をつかった子ども向けの特別授業を2024年3月23日に開催し、プライベートゾーンを清潔に保つ方法の一つとして、ビデ利用の大切さを啓発する活動を実施しました。
折り畳み絵本URL:https://s.lixil.com/picturebook
秘密探検編URL:https://s.lixil.com/picturebook_2
LIXILは、インパクト戦略の優先取り組み分野の一つに「多様性の尊重」を掲げ、多様な従業員の英知や視点を活かしたイノベーションや社内外との様々なコラボレーションを通じて、多様化する顧客ニーズに応え、誰もが快適で健康的な生活を送り、いきいきと輝ける社会を目指しています。
その中の取り組みの一つとして、LIXILは女性特有の健康課題の解決に向けて、フェムケアに関連した製品を提供しています。代表的な製品として、昨年Femtech Japan Award 2023でSILVER賞を受賞した「ビデ専用ノズル」を搭載したINAXのシャワートイレです。
“大切なプライベートゾーンをおしり洗浄と同じノズルで洗いたくない” そのような気持ちに寄り添えるよう、LIXILは35年以上前から、おしり用とは別にビデ専用のノズルを搭載し、2本のノズルを大切に考えてきました。
女性のプライベートゾーンは、生理、おりもの、尿もれなどに由来したお困りごとを抱えやすく、適切なケアが必要です。「特に生理中は、月経血が臭いのもとになるので、トイレでビデ機能を使うことが効果的」と産婦人科医の先生もビデの使用を推奨しています。しかしながら、当社のアンケート調査※1によると、ビデの使用率は約5割に留まります。その主な理由として「ビデの使い方を教わる機会がない」ことがあげられています。
そこで、LIXILはビデの使用の大切さを啓発する活動として、IoT技術などを取り入れた3e※2ヘルスクリエーション教育プログラム開発を行う慶應義塾大学 環境情報学部 中澤研究室と共同研究を実施しました。今回は、5歳以上の子どもを対象とした體(からだ)の変化にまつわる健康教育と男女分け隔てなくフェムケアについて学べる折り畳み絵本を共同で制作し、LIXILのWebサイトにて公開しました。
今回、共同で制作した絵本では、「食べ物の入り口と出口」というわかりやすい内容から入り、「プライベートゾーンの大切さ」、「プライベートゾーンをケアする方法」という流れで、子どもにもわかりやすく学べる内容になっています。
また、2024年3月23日には今回制作した絵本を活用し、プライベートゾーンを清潔に保つ大切さを学べる特別授業を開催しました。当日は、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 本田先生(特任准教授)とサイエンスコミュニケーターの佐伯恵太さん扮する、エイト特派員より、絵本を使った読み聞かせや実験などを行い、プライベートゾーンのケアの大切さを伝えました。
今後は、この絵本をAR技術などを用いバージョンアップさせていくとともに、より多くの方に授業を行えるよう検討を進めてまいります。
LIXILは、これからもビデの使用の大切さを啓発する活動を通じて、世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現に貢献します。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任准教授・博士(医学) 本田 由佳 氏のコメント
今回開発した折り畳み絵本教材や授業では、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」の一部を取り入れて制作しました。「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」は、子どもや若者たちの健康とウェルビーイング、尊厳を実現するために作られたガイドラインで、世界中の包括的性教育の実践を調査し、科学的根拠と人権的アプローチに基づく内容となっています。性を生殖・性交のことだけでなく、人権教育を基盤に、人間のからだと発達、健康と幸福のためのスキル、情報リテラシー等の学習目標が、5歳〜18歳まで、年齢段階的に示されています。また、5歳から8歳までに、自分のからだの名称と機能を知ること、9歳から12歳で、健康でいるために自分の性器を清潔に保つ知識・態度・スキル等を獲得する学習目標もあります。今回は、その一部を取り入れ、親子で楽しく学べる折り畳み絵本にしました。子どものからだは、日々変化し、変わっていきます。子どもがデリケートゾーンや骨などに興味を持ったり、疑問を持ったりした時に、この折り畳み絵本を活用して、「からだが変化することや、デリケートゾーンを清潔に保つ方法を知ることは大切なこと」を、親子で楽しく学んでいただければと思います。
LIXIL担当者のコメント
「ビデの使い方を教わる機会がない」方が半数以上いるという調査結果を踏まえ、はじめての生理を迎え、これからビデを使い始めるタイミングでも、安心してご使用していただけるよう、弊社のシャワートイレの特長である「ビデ専用ノズル」をより多くの方にお伝えしたく、本プロジェクトを発足しました。LIXILが独自にお伝えさせていただくよりも、3eウェルビーイング健康情報教育に取り組んでいる慶應義塾大学 環境情報学部 中澤研究室と共同で実施させていただくことで、国際セクシュアリティ教育ガイダンスに則ったより説得性の高いコンテンツとなり、より多くの方にビデの大切さを知っていただける内容となっております。
※1 LIXIL「シャワートイレ 2本ノズル調査」N=女性1000名 実施期間:2023年8月17日~21日
※2 3e:慶應義塾大学 環境情報学部 中澤研究室が主体で進めているevidence(裏付け)、education(教育)、entertainment(楽しみ)の3つのeの要素が揃う健康教育ツールのこと。
<参考情報>
■LIXILと慶應義塾大学 環境情報学部 中澤研究室での取り組み
・学生サポーターとのワークショップを開催
ワークショップ実施にあたり、まず学生にビデに対する意見を聞いたところ、「使い方を知らない」「ボタンを押すことに抵抗がある(何が起こるかわからない)」などの声を聞くことができ、改めてビデの使い方を学ぶ場がないことが課題とわかりました。「ビデを使うきっかけを作るには?」については、「初経セットにビデの使い方をつける」「生理が来るまでビデは使わないが、それまではおしり用を使えば抵抗が少ない」などの案がでました。
また、5歳以上の子どもを対象に『生理が来たらビデを使うことが大切』と伝えるには、年齢に分けて體(からだ)の変化を伝えていく必要があり、伝える手段としては様々な意見の中から、「絵本」となりました。
・プライベートゾーンを清潔に保つ大切さを学べる特別授業を実施
当日は、慶應義塾大学 環境情報学部 中澤研究室 本田先生とサイエンスコミュニケーターの佐伯恵太さん扮する、エイト特派員より、絵本を使った読み聞かせを実施し、プライベートゾーンのケアの大切さを伝えました。また、疑似経血・疑似便を用いて、トイレットペーパーで拭くだけでなく水で濡らしてから拭いた方がきれいに落ちることがわかる実験や、ペットボトルでシャワートイレのおしり用をイメージした大きい穴が一つのものと、ビデ用をイメージした小さい穴が複数あるものから水の出方の違いがわかる実験を通して、ビデの良さを体験いただきました。
疑似経血・疑似便を用いた実験 | ペットボトルを用いた実験 |
・絵本について
今回、慶應義塾大学 環境情報学部 中澤研究室と共同で制作した絵本は、LIXILの「もっと知りたい!ビデのこと」サイトにて、公開しております。
HP:https://www.lixil.co.jp/lineup/toiletroom/s/2nozzle/how-to/