物流センターイメージ
データを活用して荷待ち時間の削減をはじめとした物流の効率化を推進
株式会社LIXIL(以下LIXIL)は、株式会社Hacobu(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO: 佐々木 太郎、以下Hacobu)が提供するトラック予約受付サービス「MOVO Berth(ムーボ・バース)」を、物流2024年問題対策として新たに7拠点に導入します。
「MOVO Berth」の導入により、荷待ちや作業にかかる時間を可視化し、そのデータを活用して荷待ち時間の削減をはじめとした物流の効率化を推進します。
トラックドライバーの時間外労働の上限規制適用による輸送力不足により、物流が滞ることが懸念される、物流2024年問題への対応が急務となっています。2024年5月には、一定規模以上の荷主企業に対し、物流効率化の計画作成を義務づける法律が公布されました。
LIXILでは、2019年に国土交通省などが推進する「ホワイト物流」推進運動に賛同、自主行動宣言を提出し、物流2024年問題への対応として、取引先及び物流会社との協力体制を構築しているほか、鉄道や船輸送を利用するモーダルシフトの導入やパレット活用など、さまざまな取り組みを実施しています。
このたび、さらに物流2024年問題への対応を加速させ物流効率化を推進すべく、Hacobuが提供するトラック予約受付サービス「MOVO Berth」を、導入済み5拠点に加え、新たに7拠点に導入する運びとなりました。「MOVO Berth」は、入場予約・入退場受付によって、物流センターにおける車両待機の改善や生産性向上を支援します。荷待ちや作業にかかる時間を可視化することで、物流改善に役立てることができます。
すでに導入をしている社(やしろ)物流センター(兵庫県)では、「MOVO Berth」導入により、待機時間・荷役時間を含めた滞在時間の情報を即座に可視化できるようになり、事前調整を行うなどさまざまな分析・対応策を実施することで、ドライバーのセンター滞在時間が約24%削減できました。また、デジタル化することで庫内の作業効率が向上し、1日あたり160分の業務時間削減に成功しています。
他の拠点においても、「MOVO Berth」を導入することによって各拠点のデータを可視化・検証し対策を講じることで、荷待ち時間や荷役時間の削減などの物流の効率化にさらに取り組んでいきます。
LIXILは今後も、社会課題を解決する物流の効率化に取り組み、安定的かつ高品質な配送をすることで、誰もが願う豊かで快適な暮らしの実現に貢献します。
■常務役員 LIXIL Housing Technology 生産本部長 兼 株式会社LIXIL物流 代表取締役社長 宮地 義郎のコメント
「MOVO Berthを導入し、荷待ちや作業にかかる時間を可視化・検証することにより、物流効率が大幅に向上し、作業負荷の軽減に成功しています。今回新たに7拠点へ導入することは、さらに多くの物流現場での生産性向上に貢献すると確信しています。MOVO Berthの導入によってデータを活用した物流改善を進めるなど、最新の物流技術やシステムを開発・導入することで物流改革を進め、ものを届ける以上の付加価値を持つ物流を実現していきます。」
<参考資料>
■「MOVO Berth」概要
Hacobuが提供する「MOVO Berth」は、荷待ち・荷役時間の削減や物流現場の生産性向上を実現するシェアNo.1※のトラック予約受付サービスです。入場予約・入退場受付によって、物流センター・工場における荷待ちの改善や生産性向上を支援します。車両の入場時間を分散し、計画的な入出荷作業で荷待ち問題を解決します。荷待ちや作業にかかっている時間を可視化し、物流改善にお役立ていただくことも可能です。複雑な運用パターンにも柔軟に対応できるプロダクト機能と、専任担当者による豊富なノウハウを活かした手厚い導入支援によって、導入後の運用定着まで高い確率で実現します。
https://hacobu.jp/movo-berth/
※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所『スマートロジスティクス・ソリューション市場の実態と展望【2023年度版】』https://mic-r.co.jp/mr/029
■物流2024年問題に対するLIXILの取り組み
LIXILでは「ホワイト物流」自主宣言項目に基づき、物流2024年問題はもちろんのこと、さまざまな社会課題や環境問題に対して取り組みを強化しています。ビジネスパートナーである運送事業者さま、さらにはお客さまのご協力もいただきながら、運送ルート・配送時間の見直しや積載効率の向上、作業の省力化・自働化、省エネ機材の導入などの対応策を取り入れています。中でも喫緊の課題である物流2024年問題については、MOVO Berth導入以外にも積極的に施策を講じています。
「ホワイト物流」自主宣言項目:https://newsrelease.lixil.co.jp/news/pdf/2019092602.pdf
【モーダルシフト】
モーダルシフトとは、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することをいいます。CO2排出量削減はもちろんのこと、モーダルシフトの大量輸送は大量の貨物を少ない人員で一度に運ぶことを可能とし、結果として輸送効率を高める事に繋がります。
LIXILでは、2019年にキッチンを取り扱う社物流センターから広川物流センター(福岡県)への輸送において、トラックから船舶を使った輸送へ転換しています。さらに2024年4月からは、筑波工場と佐賀工場間で鉄道を利用した輸送に、近畿物流センター(三重県)から九州物流センター(熊本県)間では船舶を利用した輸送に切り替えています。
【パレット輸送化】
LIXILではほとんどの商品においてパレット輸送化を実現しているものの、キッチン商品においてはドライバーが1つ1つの商品を手作業で積降しを行っており、ドライバーにとって大きな負担となっていました。パレットを活用した作業に変更することで、物流の生産性向上につながります。
例えば、深谷物流センター(埼玉県)では、パレット輸送化に取り組み、パレットへの積載をLIXIL側で実施することで、ドライバーはパレットを積み込むだけの作業となり、積降し時間が半減されるなど、ドライバーの負荷削減につながっています。
【運転と作業の分離】
従来LIXILの建材商品において、商品をパレットに積載する作業をドライバーが担っていました。これにより、ドライバーの作業負荷が大きくなっていました。この作業をLIXIL側で実施することで、ドライバーの作業時間を削減しています。
またキッチン商品においては、上記パレット輸送化を実現することで、運転と作業の分離も可能にしています。