*画像はポスターイメージ
From the Collection of Aichi Prefectural Ceramic Museum
For A Happy Afterlife: Miniature Household Appliances From Ancient China
【会期】 2025年10月18日(土)~2026年4月7日(火)
【会場】 INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」 企画展示室
【URL】 https://livingculture.lixil.com/ilm/see/exhibit/meiki/
株式会社LIXIL(以下LIXIL)が運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)では、2025年10月18日(土)から2026年4月7日(火)まで、企画展「愛知県陶磁美術館コレクション あの世でもハッピーライフ ―中国二千年前の住宅設備機器―」を開催します。本展では井戸、トイレ、カマドなど、中国古代の墳墓に埋葬された多彩な陶製のミニチュア模型「建築明器(めいき)」の世界を紹介します。
中国古代の墳墓には、家屋、井戸、豚小屋付きのトイレ、カマドや家具など建物や生活用品をかたどった建築明器(めいき)と呼ばれる陶製のミニチュア模型が副葬品として埋葬されていました。死者は現世の延長となる世界で生き続けると考えられていたため、来世でも不自由なく幸せに暮らせるようにと、生前の日常にあった、今でいう住宅設備機器や生活様式などがやきもので再現されたのです。大きさも素材も実際とは異なり実用性は失われていますが、理想の暮らしを祈る思いが表出し、素朴ながらも写実的で生き生きとしています。
本展では、中国・漢代(前3-後3世紀)から明代 (14-17世紀)におよぶ愛知県陶磁美術館の明器コレクションに一部当館の収蔵品を加えた約50点を展示します。豊かな来世の暮らしを描いた造形をとおして、中国古代の生活情景に触れながら、秘めたるやきものの魅力に迫ります。
企画展 愛知県陶磁美術館コレクション
あの世でもハッピーライフ ―中国二千年前の住宅設備機器―
From the Collection of Aichi Prefectural Ceramic Museum
For A Happy Afterlife: Miniature Household Appliances From Ancient China
【会期】2025月10月18日(土)~2026年4月7日(火)
【会場】INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130 TEL:0569-34-8282 FAX:0569-34-8283
【休館日】水曜日(12/24、2/11は開館)、12/26-1/4
【観覧料】共通入館料にて観覧可 (一般:1000円、学生:800円、中高生:500円、小学生:250円/税込、各種割引あり)
【主催】INAXライブミュージアム 【企 画】INAXライブミュージアム企画委員会
【特別協力】愛知県陶磁美術館
【展示デザイン】+建築設計 田代朋彦、【会場グラフィック】関田浩平
【URL】https://livingculture.lixil.com/ilm/see/exhibit/meiki/
※本展会期中、チケット販売価格の相互割引あり。詳細はウェブにて。
■ 見どころ
〇建築明器が語る、中国古代の「あの世でもハッピーライフ」
現世での豊かな暮らしを写した建築明器から、来世での理想の暮らしと社会の姿が見えてきます。
〇写実的に作られた建築明器だからこそ、細部にも着目!
井戸には水を汲むための釣瓶(つるべ)を引き上げる滑車がつき、カマドの台には魚などの食料品や調理器具が型押しされ、トイレには穴が開けられています。そのほか、建物の屋根の様子、家具の構造などをキャプションを手助けに、じっくり細部までご覧ください。来世のために再現した当時の暮らしのディテールに触れることができます。
〇やきものの視点から建築明器の魅力に触れる
漢代において主流だった灰陶(かいとう/灰色の土器)や緑色と褐色の施釉陶器から、明代の鮮やかな三彩陶器まで、色彩表現の革新的な変化をご鑑賞いただけます。
〇二千年前の住宅設備機器にキャッチフレーズをつけて身近に
明器は用途ごとに展示し、「二千年前からのコンポストトイレ?」「古代のシステムキッチン」など現代の言葉に置き換えたキャッチフレーズを付け、より身近に感じていただく演出をします。
■ 会場構成
会場では、中国古代の墓室構造体として使われた柱状の空心塼(くうしんせん)二本をゲートに見立て、建築明器の世界に誘います。明器は用途ごとに分け10コーナーで展示します。
コーナーの紹介
家屋:パティオのある家/見張り台:セキュリティも万全/豚小屋付きのトイレ:二千年前からコンポストトイレ?/作業小屋と道具:自家製の粉物を楽しむ/井戸:天然水の水栓/家畜小屋:家庭内ファーム/穀物庫:屋外パントリー/カマド:古代のシステムキッチン/食・台所:ハレとケのキッチンツール/家具:デザイン・ファニチャー
① ② |
① 家屋:パティオのある家 《灰陶加彩四合院(かいとうかさいしごういん)》 明(16-17世紀) H49.5×W88.0×D88.0cm 中庭を中心に東西南北の四方を建物で囲んだ中国伝統の住居形式である四合院を写した明器。 ② 豚小屋付きのトイレ:二千年前からコンポストトイレ? 《灰陶猪圏(かいとうちょけん)》 後漢(1-2世紀) H24.0×W38.0×D28.0㎝ 豚舎を兼ねたトイレ。人間の排泄物を豚の餌に利用。2か所あるトイレ空間の床には排泄用の穴が開けられている。 |
③ ④ |
③ 井戸:天然水の水栓 《灰陶井戸(かいとういど)》 漢(前2-後2世紀) H30.5×W24.0×D17.0cm 瓦や文様の細部まで緻密に作り込まれ、当時の建築意匠と生活環境を具体的に伝えている。 ④ 井戸:天然水の水栓 《緑釉井戸(りょくゆういど)》 後漢(1-2世紀) H23.0×W13.0×D 13.5㎝ 緑釉が施され、長期間の埋葬で、落ち着いた色調となる。表面には貫入が生じ、化学変化による銀化が見られる。当館蔵 |
⑤ ⑥ |
⑤作業小屋と道具:自家製の粉物を楽しむ 《緑釉作坊(りょくゆうさくぼう)》 後漢(1-2世紀)H27.5×W31.0×D18.0cm 後漢時代の裕福な農家や地主の敷地に備えられていた、屋根付きの製粉作業場を表した明器。 ⑥穀物庫:屋外パントリー 《白磁囷(はくじきん)》 南宋(12-13世紀) H20.0×φ16.0㎝ 「囷」は筒型の穀物倉庫。高床と通風構造により、穀物を湿気や害虫から守る実際の建築を写している。景徳鎮窯などで焼かれた南宋時代の白磁の例。 |
⑦ ⑧ |
⑦カマド:古代のシステムキッチン 《緑釉カマド(りょくゆうかまど)》 後漢(1-2世紀)H16.0×W34.0×D 36.0cm カマドと釜を別々に施釉・焼成し、後に組み合わせた構造。天板には、魚二尾や (かぎ)状具、穿孔(せんこう)円盤などの型押しモチーフが並ぶ。 ⑧食・台所:ハレとケのキッチンツール 《三彩供物(さんさいくもつ)》 明(16-17世紀) H23.5×W27.0×D 17.5㎝ 捧げ物を写実的に再現している三彩陶の供物卓。香炉、豚の頭部、鴨、桃など当時の豊饒や吉祥を象徴する供物が並ぶ。 所蔵:愛知県陶磁美術館(茂木計一郎氏寄贈)*特記以外 撮影:益永研司 |
■関連企画
講演会「夢を託したやきもの ー建築明器の世界―」
講師:田畑潤(愛知県陶磁美術館 主任学芸員)
開催日時:2026年1月31日(土)14:00‐15:30
場所:講義室(INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」1階)
参加費:1500円(税込) ※入館チケットおよび企画展関連冊子付き
定員:30名(先着順)
※お申込み方法などの詳細については当館ウェブサイトをご覧ください。
【内容】
中国古代の建築明器から読み取れる、当時の死生観や暮らし、またやきものの視点からみた魅力について語っていただきます。さらに、中国にて墳墓の発掘調査にも携われていたご経験から、発掘現場の様子やそこでの発見などもご紹介いただきます。
■関連冊子『愛知県陶磁美術館コレクション あの世でもハッピーライフ ―中国二千年前の住宅設備機器ー』 2025年10月18日発刊予定 定価550円(税込)p36 全カラー頁
家屋やトイレ、井戸、カマド、生活の道具をかたどった陶製の小さな副葬品「建築明器(めいき)」を、中国古代の風習や生活習慣などの背景ややきものの視点を付しながら、細部を写し込んだ写真とともに紹介。バラエティに富んだ建築明器の世界に触れるハンディな一冊。
執筆者:田畑潤(本書監修、愛知県陶磁美術館 主任学芸員)、柿沼陽平(早稲田大学文学学術院教授)
*INAXライブミュージアム内ショップおよびLIXIL公式オンラインショップで購入可。
■INAXライブミュージアム概要
所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282
休館日:水曜日(12/24、2/11は開館)、12/26-1/4
共通入館料:一般:1000円、学生 800円 、中高生:500円、小学生:250円/税込
Facebook:https://www.facebook.com/LIXIL.culture
Instagram:https://www.instagram.com/lixil_inaxmuseums/
やきもの製品のテクノロジー拠点、愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。「窯のある広場・資料館」「世界のタイル博物館」「トイレの文化館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「やきもの工房」の7館からなる“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。