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断熱リフォームを使用して地場工務店の匠が手掛けた 断熱リノベの実例集『断熱リノベの匠』を展開

作成者: LIXIL|2025年10月21日

                                         第9弾は、新築同等の快適性を実現した事例

株式会社LIXIL(以下、LIXIL)は、地場工務店の匠が手掛けた断熱リノベの実例集『断熱リノベの匠』を展開しています。そしてこの度、第9弾としてSW(スーパーウォール)工法リフォーム加盟店の有限会社久保田工務店(長崎県、代表取締役 久保田 徹)が手掛けた、新築同等の快適性を実現した自宅の事例を公開したので、お知らせします。

海・山・温泉と、豊かな自然がひろがる長崎県雲仙市で、昭和24年に創業した久保田工務店。今回ご紹介する断熱リノベの匠(たくみ)、久保田翔氏は、その3代目として、自社大工の伝統を守りながら、父である社長とともに、真心を込めた住まいづくりを提案している。さらに、早くから性能住宅に取り組み、地域の人たちが住宅の性能に目を向けていなかった20年前から、スーパーウォールによる新築住宅を提案し、BELS工務店としても着実に実績を積み上げてきた。また、ZEH化にも意欲的で、5年前からはZEH率100%を目指して、実績値も公表している。その一方で、リフォームやリノベーションも数多く手掛けてきたものの性能向上については限定的だったそうだが、まるごと断熱リフォームの誕生をきっかけに、自宅の断熱リノベを決断した。
※「BELS工務店」とは、建築物省エネルギー性能表示制度の普及活動に協力し、自社で建設する住宅でBELS評価を取得する目標を掲げ、実践している工務店のことを指します。
BELSは建物の省エネ性能を第三者評価機関が評価・認定する制度であり、星マークで性能を5段階表示するため、消費者にも分かりやすく信頼性が高いのが特徴です。

有限会社 久保田工務店
専務取締役 久保田 翔 氏
創業76年を迎え、地元で愛され続けている久保田工務店。大工の集団としてスタートしたそうだが今もなお自社大工にこだわり、その熟練の家づくりはお施主様からの信頼も厚い。父である現社長がはじめた高性能住宅への取り組みをゼネコンでの勤務経験がある匠、久保田 翔氏が自社の標準仕様へと進化させた。
現在は新築・リノベともに高性能住宅二刀流へと、さらなる進化を目指している。

実は匠は、中学生の頃から父が建てたスーパーウォール住宅に暮らしていたのだが、その後実家を出て、同じく父が建てた築20年になる在来工法の家で暮らしはじめたがあまりの快適性の違いから、建て替えを検討していたそうだ。しかし、基礎も屋根瓦もキレイ、柱もシロアリの被害もなく使える状況だったため、建て替えるのはもったいないという想いと、断熱リノベ住宅の価値をさらに高めたいとの想いで新築同様ZEH化も行い、築20年の平屋をフルリノベーションしたのだそうだ。さて、その結果はいかに…。
久保田氏の奥様とともに今の暮らし心地について語っていただいた。「九州であっても冬は寒く、外気温が2℃、3℃の日もあって、朝などは室内温度が外とあまり変わらなく、家族みんな寒い思いをしていました。それが今では冬でも朝から暖かく、リノベでも実家より快適性が進化していると実感しています。寝る時もこれまでの羽毛布団ではなく、一年中薄い布団で十分です。それからゴキブリが
出なくなりました。気密性の高さが虫を寄せつけないのだと思います」「また、平屋の暮らしは理想でしたが、リノベ前の間取りはキッチンとダイニングが廊下を挟んで別々で、とっても不便だったので増築も含めて今の暮らしに合うように間取りを一新。キッチンの場所も変えて、使い勝手の良い開放的なLDKを叶えることができました」
こうしてまるごと断熱リフォームによる性能改善に手応えを感じた匠は、お客様におすすめし、その先にこんな希望を抱いているそうだ。スーパーウォールで新築の家を建てたお客様からは、快適性に対する驚きの声をいただくことが多いものの、従来のリノベのお客様からはそのような声を聞いたことがないそうだが、まるごと断熱リフォームなら、暮らし心地の違いに驚いていただけるはずだと。
また、熟年層のお客様が暮らしの変化に合わせてリフォームする際に性能アップすることで、ご自身の暮らしの質向上はもちろん、二世帯住宅や将来的に住み継げる価値向上になればと期待しているそうだ。

久保田氏が育った実家である築20年のスーパーウォール住宅。左奥には、今回リノベした平屋の自宅が見える。
説明を受けないと築20年のリノベーション住宅とは気づかないほど見事にリニューアルされた平屋住宅。
リノベの参考モデルとしてだけではなく、新築を予定されているお客様も案内しているという。


      和室だった部屋を脱衣室にリノベーション

      和室と縁側をダイニングキッチンにリノベーション

      洋室をダイニングとつながるリビングにリノベーション

      外観のBefore(左)After(右)

太陽光発電の製品代が実質0円で設置できる、
株式会社LIXILTEPCOスマートパートナーズの「建て得」を採用。BEI値は0.27で建築物省エネ法の省エネ基準を大幅にクリアした高い値で達成している。(創エネ含む)

まるごと断熱リフォームで自宅をリニューアルした久保田氏は、今回のリノベを振り返って、気密性を高めることの難しさを感じたという。昔の家は隙間も多く、経年劣化で建物の歪みも起こりがちだが、断熱パネルはグラスウールとは異なり性能を担保するために精度の高い施工が必要になる。リノベでは断熱パネルの使用が初めてだったため、躯体の補正など気密を高める施工を再認識する機会になったそうだ。
そして、最後に今後の取り組みについて訊ねたところ、地域に根差した工務店らしい想いがそこにはあった。地域の特徴として昔に建てられた立派なお宅が多いそうだが、同じ規模の住宅をいま新築で建てると建築費用がかなりかかる。しかし断熱リノベであれば、小さな家を新築で建てるより快適でゆとりある暮らしができる。まわりに空き家が増えていく中で、古い家を潰すのではなく活かすという流れができないかと…。匠の今後の取り組みによって、その想いが実ることに期待したい。

基礎も柱も小屋組み、屋根の瓦も劣化が少なかったため、築20年の平屋住宅をフルリノベーション。新築と比べても見劣りしない高性能住宅に生まれ変わった。


Before                                                                                                                      
少ない家族のために設計された、築20年になる和室中心のコンパクトな平屋住宅。


After                             
今のライフスタイルにフィットするよう、水まわりの位置変更や増築を含めて間取りを一新。


Reform Data
延床面積:39.28坪/木造平屋建/築年数:2005年に竣工・築20年/エリア:長崎県雲仙市国見町 
断熱リフォームによる性能改善:省エネ区分 7地域 
改修前UA値:1.74W/m²・K 改修後UA値:0.29W/m²・K

まるごと断熱リフォームは、今ある住まいを、一棟まるごと断熱改修することで高性能住宅化できる先進の工法。すぐれた性能の断熱材により、壁・天井・床をしっかり覆い、高断熱の窓や玄関ドアに交換。外気温の影響が少なく、快適・健康・省エネを実感できる暮らしを実現する。