政府が10月28日に発表した「総合経済対策」では、高騰する電気料金や都市ガス料金等の負担軽減策として、2023年1月から9月までの期間、標準的な家庭1世帯あたり総額4万5000円の支援が決定しています。一方で、7年ぶりとなる「冬の節電要請」が経済産業省から発表され、12月1日から来年3月末までの“無理のない範囲での節電協力”、さらに改正ガス事業法の成立により、都市ガス需給ひっ迫時にはガスの使用を抑える“節ガス”も求められています。
また、2050年カーボンニュートラル・2030年度削減目標の実現に向けて大幅なCO2削減が求められる中で、生活者の行動変容、ライフスタイル変革を促すため、環境省は「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」を開始しており、家庭部門では66%のCO2排出量の削減を求めています。
<現状① 光熱費支援の一方で、省エネ対策も課題>
2023年1月以降からから始まる光熱費負担軽減策では、電気料金約2割(1キロワット時あたり7円)、ガス料金約1割(1立方メートルあたり30円)が抑制される見込みです。しかし、多くの電力会社が家庭向け電気料金値上げせざるを得ない状況にあり、同年4月以降も多くの地域で電気料金が2割超値上がりすると言われています。さらにガス料金への政府からの支援は都市ガスのみで、都市部以外で利用者の多いLPガスは、家庭への直接的な軽減策は無い状況です。
加えて、「脱炭素の流れに逆行しない」ために、政府は同年9月からの光熱費支援額を半減することも発表しています。
<現状② 家庭のエネルギー消費の約3割が「給湯」>
日本全体のエネルギー消費における「家庭部門」は年々増加傾向にあり、そのうち「給湯」は27.8%を占めています。冬は夏場よりもエネルギー消費量が増加するため、各家庭内での省エネ対策が重要です。
「給湯」利用を見直すだけで、環境負荷を低減し節電・節ガスに
家庭でのエネルギー消費量が多い「給湯」は、電気とガス両方(※オール電化の場合は電気のみ)のエネルギーを使用しています。「給湯」利用を見直すことで、電気とガスのエネルギー消費量を減らし環境負荷低減、電気代、ガス代の節約に繋がります。給湯によるエネルギー消費を削減するためにできることの1つが「節湯(せつゆ)」です。「節湯」とは、使用する湯量を減らし「水」と「エネルギー(電気やガス)」の両方を節約することで、電気・ガス・水道の光熱費削減と省エネに繋がる取り組みです。
水栓を正しく使う「節湯術」で、実はあるあるの“お湯の無駄づかい“をチェックしたり、「節湯アイテム」で家族みんなで省エネ&カンタン節約をするのはいかがでしょうか。