建物ライフサイクル全体でCO₂排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンビル」の実現に寄与
株式会社LIXIL(以下LIXIL)は、大成建設株式会社(代表取締役社長:相川善郎、以下、大成建設)の「大成建設グループ次世代技術研究所」(所在地:埼玉県幸手市、以下、次世代技術研究所、図1参照)の研究管理棟に、原材料の70%にリサイクルアルミを使用した循環型低炭素アルミ形材「PremiAL R70」をビル建材として国内で初めて採用いただく運びとなったことをご報告いたします。「PremiAL R70」の採用により、調達・施工・運用の各段階にわたる建物ライフサイクル全体を通じてCO₂排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンビル」の実現に寄与することができます。
LIXILは、環境ビジョン2050「Zero Carbon and Circular Living(CO₂ゼロと循環型の暮らし)」の実現に向けた重点領域の1つである「資源の循環利用を促進」において、2031年3月期までにハウジング事業で使用するリサイクルアルミの使用比率を100%にすることを目標に掲げています。そして、目標達成に向け、これまでにリサイクルアルミの使用比率70%の「PremiAL R70」、使用率100%の「PremiAL R100」を展開しています。
一方、大成建設は、これまで新築・改修建物のZEB化などの実績を重ねるとともに、「ゼロカーボンビル」の構築に向けた様々な取り組みを進めることで循環型社会や脱炭素社会の実現に貢献することを目指してきました。その一環として現在建設中の次世代技術研究所研究管理棟では、木材・木質材料や再生ガラス、再生アクリルなどの低炭素建設資材の適用をはじめ、施工時の脱炭素燃料の使用や先進的な省エネルギー・創エネルギー技術の導入など、多面的な取り組みを推進しており、建設資材であるアルミサッシについても、再生利用の可能性を探っていました。
そしてこのたび大成建設により、次世代技術研究所研究管理棟のアルミサッシに、LIXILが開発した「PremiAL R70」を使用したビル用高意匠隠框サッシ「E-SHAPE Window Type-S」が採用されることとなりました。「PremiAL R70」の適用により、新地金100%のアルミ形材を使用した場合と比較し、CO₂排出量を約55%削減することが可能となります※1。(図2参照)
今後LIXILは大成建設と連携し、同社施工の解体、リニューアル工事現場等から回収したアルミサッシなどを原材料や材料の一部として再生利用し、「PremiAL R70」を上回るリサイクルアルミを100%使用した「PremiAL R100」を同社施工の新築現場などに積極的に採用いただくことで、アルミリサイクルループの構築を目指していきます。(図3参照)
LIXILは、今後もPremiALをはじめとした循環型低炭素素材などを通じて、資源循環の推進や環境負荷低減を図り、持続的成長と社会へのインパクト(良い影響)の創出に取り組みます。
※1 原材料として新地金を使用すると、地金の調達から材料製造までの工程で排出されるCO2量は約15.1㎏-CO2であるのに対し、原材料の70%にリサイクルアルミを使用した場合、新地金の調達から材料製造までの工程で排出されるCO2量は約6.8㎏-CO2(55%削減)となる。
図1 大成建設グループ次世代技術研究所イメージ 左:次世代技術研究所 全景/右:研究管理棟 外観
図2 再生アルミ形材製造フロー
図3 将来的なアルミリサイクルループ
<参考資料>
■「PremiAL R70」採用概要
LIXIL商品名 ビル用高意匠隠框サッシ「E-SHAPE Window Type-S」
主な該当部位 エントランス、ダブルスキンインナーサッシ
施主・施工 大成建設株式会社
プロジェクト名 大成建設グループ次世代技術研究所内 研究管理棟
所在地 埼玉県幸手市
■「PremiAL R70」の特長
「PremiAL R70」は原材料の70%にアルミリサイクル材を使用した循環型低炭素アルミ形材です。第三者認証の「【エコリーフ】環境ラベル」※取得により、建設時に使用する建材の環境への影響を定量的に示すことを可能とし、低炭素建材を使用した建築物の環境価値の向上に貢献します。「PremiAL R70」1㎏あたりの原材料調達・輸送・生産までのCO₂排出量は6.8㎏で、新地金を100%使用したアルミ形材と比較すると、55%のCO₂排出削減に貢献します。