SHARE

    日本の建材業界初、LIXILの長期目標「2050年までにCO₂排出量実質ゼロ」がSBTネットゼロ認定を取得

    日本の建材業界初、LIXILの長期目標「2050年までにCO₂排出量実質ゼロ」がSBTネットゼロ認定を取得 サムネイル画像

    低炭素社会への移行と、環境ビジョン2050「CO₂ゼロと循環型の暮らし」の実現を目指す

    株式会社LIXIL(以下 LIXIL)は、環境ビジョン2050「CO₂ゼロと循環型の暮らし」を掲げ、長期目標(long-term target)「2050年までにCO₂排出量を実質ゼロにする」という目標を設定していますが、これに対し、日本の建材業界で初めて2024年3月¹にSBTネットゼロ認定を取得しました²。ネットゼロの基準として「2050年までにScope 1, 2, 3の温室効果ガス排出量を90%削減し、10%以内の残余排出量を炭素除去によりゼロにすること」と定義されており³、これまでに世界で458社、建材業界ではLIXILを含む6社が認定を取得しています⁴。

    今回の認定取得により、LIXILでは、短期目標および長期目標の双方について、 SBTイニシアチブが定める定量的、定性的な基準を満たし、SBTネットゼロ認定を取得しました。

    LIXILは、環境ビジョン2050「CO₂ゼロと循環型の暮らし」に基づき、「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」の3つを重点領域として取り組んでおり、2023年3月期に新たに中期目標を設定しました。同時に「気候変動対策を通じた緩和と適応」においては、低炭素社会への移行を推進する「Scope1,2におけるCO2排出量を2031年3月期までに50.4%削減」と「Scope3におけるCO2排出量を30%削減」を2031年3月期までのScope1,2,3の短期的な削減定量目標とし、この短期目標がSBTiによる認定を更新しました⁵。

    産業革命以降の地球の気温上昇を1.5℃に抑えることを目標に設立されたSBTイニシアチブ(SBTi)では世界的に早急な対応が求められる気候変動に対し、科学に基づいた国際的な基準を定義しています。同機関はネットゼロを達成するために、2030年までに全世界の温室効果ガス排出量を現在の半分に削減する必要性を訴えており、企業が科学的な根拠に基づいた目標を設定するためのガイドラインの提供、1.5℃シナリオやネットゼロ目標へのコミットメントの支援や、評価を行っています。

    常務役員 兼 Chief Environmental Impact Officer​ の迎宇宙は次のようにコメントしています。「我々が目指す豊かで快適な住まいは、自然と共生する持続可能な暮らしのもとに成り立つと考えています。『気候変動対策を通じた緩和と適応』の領域においても、自社の事業プロセスの域を越え、サプライヤーをはじめとするビジネスパートナーと連携しながら、着実に歩みを続けてまいりました。この度、当社が設定した長期目標がSBTiよって科学的根拠に基づいたネットゼロ基準を満たし、認定を取得しましたが、これはかねてよりLIXIL環境ビジョン2050で掲げてきた『CO₂ゼロと循環型の暮らし』の達成の可能性を示唆するものです⁶。引き続き、今日、そして未来の暮らしのためにLIXILの低炭素社会への移行計画を進めインパクトを拡大を推進してまいります」

    2050年のネットゼロを見据えた「低炭素社会への移行計画」
    LIXILでは、2030年をマイルストーンとして設定し、事業プロセス、自社バリューチェーン、インパクトの拡大の3つのフェーズにおいて総炭素排出量を削減する様々な施策に取り組んでいます。
    事業プロセスにおいては、省エネ対策、燃料転換、追加性の高い再生エネルギーへの移行・調達などの施策に加えて、製造現場で水素への燃料転換に向けた実証実験を実施するなど、Scope1,2排出量の削減に取り組んでいます。
    自社バリューチェーンにおいては排出量の多くの割合を占める「製品使用」と「調達」に注力しており、製品の省エネ化はもちろんのこと、サプライヤーエンゲージメントを通じた調達や物流における排出量の削減、これらの活動から得られた一次データの活用、循環型のエコシステムやビジネスモデルの構築に努めています。
    さらに、節湯水栓・節水型トイレや新築戸建て向け高性能窓などの販売構成比率を100%とする目標を掲げ、暮らしのエネルギー効率を高める製品を通じて、気候変動緩和に向けたインパクトの拡大と低炭素社会への移行を推進しています。
    詳しくはIRニュース「LIXIL ESG説明会 2024」資料をご覧ください(2024年4月2日に開催)

    SBTi_J

    SBT(Science based Targets) について
    パリ協定が求める水準と整合した5年〜10年先を目標年として企業が設定する温室効果ガスの排出削減目標です。自社自らによる温室効果ガスの直接排出を示すScope1、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出を示すScope2、Scope1と2以外の他社の排出による間接排出を示すScope3すべてのサプライチェーン排出量に対しての削減が求められています。

    ¹SBTのウェブサイト上での公開は4/4を予定
    ²基準年:2019年3月期
    ³ SBTi CORPORATE NET-ZERO STANDARD
      (https://sciencebasedtargets.org/resources/files/Net-Zero-Standard.pdf)
    ⁴2024年4月3日時点。SBTガイダンスが定めるBuildings Products Sectorが対象
    ⁵2019年3月期比。Near-term Commitment SBT認定
     (https://newsroom.lixil.com/ja/20230330_environment_update)
    ⁶この度SBTネットゼロの認定を取得したのは「2050年までにCO₂排出量実質ゼロ」という長期目標に対してであり、       LIXILのコミットメント全体を対象にした認定ではありません。

    SHARE

    関連記事