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    鹿児島県大崎町、大崎町SDGs推進協議会、鹿児島大学、LIXILが 『住宅改修における資源循環実証調査事業』に関する協定を締結

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    リサイクル率日本一の町で、空き家問題の解決へ向けて産官学4者がタッグ

    鹿児島県大崎町(町長:東 靖弘、以下大崎町)、一般社団法人大崎町SDGs推進協議会(代表理事:千歳 史郎、以下協議会)、国立大学法人鹿児島大学 大学院理工学研究科工学専攻建築学プログラム(環境建築研究室 准教授:鷹野 敦、以下鹿児島大学)、および株式会社LIXIL(常務役員 LIXIL Housing Technology 営業本部長 兼 ビル事業管掌役員:田口  和敏、以下LIXIL)は、自治体として過去15回に渡りリサイクル率日本一を達成している鹿児島県大崎町において、『住宅改修における資源循環実証調査事業』に関する協定を6月25日(火)に締結したことをお知らせします。

    ■協定書締結の背景
    リサイクルの町、大崎町の知見を活かし、空き家問題に挑む
    日本全国において人口減少が続き、空き家の増加が深刻化しています。空き家は放置せずに解体して更地にする、あるいは改修などで活用することを勧められています。また、解体時に発生する廃材の埋め立て処理なども課題となっており、可能な限りリサイクルすることが求められています。
    空き家問題解決に向けた取り組みは各自治体へ委ねられており、鹿児島県大崎町においても一つの課題として位置付けています。大崎町では25年以上に渡り、 「大崎リサイクルシステム」という「焼却施設に頼らず、 廃棄物の80%以上をリサイクルする資源循環型の社会形成」に取り組んでおり、その知見を活かし、資源循環を糸口とした空き家問題解決ができるのではと考え、産官学連携して大崎町で実証調査をするに至りました。

    資源循環をベースとした製品設計の在り方を考える
    資源循環の視点は、CO₂排出量を削減する製品設計において、もはや必要不可欠であり、SDGs貢献への一路になります。LIXILでは、インパクト戦略を掲げ、事業活動を通じた環境課題の解決を目指しています。中でも資源の循環利用促進や気候変動対策を重点領域に位置づけ、材料の調達から生産、使用時と役目を終えて廃棄されるまでの製品ライフサイクル全体の環境負荷低減に取り組んでいます。今回予定している実証調査では、空き家の改修時に排出・導入される資源などに関する調査および「完全リサイクルコスト検証」、LCAを活用した評価を産官学が連携して行い、地域課題・環境問題に応答する新しい建築・建材の在り方を考察します。空き家活用の取り組みが各自治体へ委ねられているからこそ、地域に根差した研究機関と製品開発・製造を行うメーカーが連携することで、その取り組みを加速していけると考えます。

    ※LCA(Life Cycle Assessment)
    製品の資源採取から原材料の調達、製造、 加工、組立、流通、製品使用、さらに廃棄にいたるまでの全過程(ライフサイクル)における環境負荷を総合して、 科学的、定量的、客観的に評価する手法

    ■協定の目的と内容
    本協定では、上記背景を受けて、空き家の”資源性”を多角的に評価し、資源循環の観点から空き家の価値を再定義することを目的とします。具体的には、大崎町内の空き家住宅を対象に以下の2点に取り組みます。
    ① 不動産資源としての評価:
    空き家を不動産資源として継続的に活用することを前提に、改修時に導入される資源や排出される廃棄物に関する調査を行い、リサイクルコストの検証とLCAによる環境負荷の検証を行います。廃材のリサイクル率の向上や、改修する際のリサイクル製品の使用がもたらす効果を定量的に評価し、空き家の改修利用のメリットを新築等との比較を通して検証します。改修後の物件は、大崎町における先進モデルとして活用することを想定しています。
    ② 資源貯蔵庫としての評価:
    空き家の解体と廃材の処理工程を詳細に調査し、廃材のリユース・リサイクル率の向上に関する可能性の検証とその効果を定量的に評価します。空き家を”ごみ”ではなく”資源として捉え、その解体プロセスを資源循環のエコシステムの中に位置付けることで、住環境全体の健全化へ向けた新しいモデルの構築を目指します。




    ■今後のスケジュール
    2024年6月〜12月      空家の解体等に関する調査研究
    2024年10月〜12月    空家改修工事実施(予定)
    2025年春                  改修物件のお披露目    

    ■関連機関のご紹介
    ・鹿児島県大崎町
    ⼤崎町は広⼤なシラス台地が広がる⾃然豊かな⼤隅半島に位置し、⾃治体としてこれまで12年連続を含む、合計15回リサイクル率日本一を達成し、「ジャパンSDGsアワード」内閣官房長官賞を受賞するなど、環境問題への取り組みは「⼤崎リサイクルシステム」として世界的に評価されています。また、温暖な気候と溢れる湧⽔で育む農畜産物は、⽣産量も国内最⼤級ながら、⾼い品質を求め常に挑戦し続けています。
    https://www.town.kagoshima-osaki.lg.jp/
    大崎町の企業版ふるさと納税に関して 
    https://www.town.kagoshima-osaki.lg.jp/ke_kikaku/kigyoubannhurusatonouzei.html
    大崎町SDGs推進事業に関して 
    https://www.town.kagoshima-osaki.lg.jp/ke_kikaku/sdgs.html

    ・一般社団法人大崎町SDGs推進協議会
    一般社団法人大崎町SDGs推進協議会は、20年以上、⼤崎町がつみかさねてきたリサイクルの取り組みを土台に、循環型のまちづくりを、より多面的に展開するため、多様な主体がパートナーシップを組み、2021年4月に設立されました。それぞれのステークホルダーが強みを⽣かすことで、一つの自治体だけでは成し得ないさまざまな課題の解決に、責任をもって取り組んでいきます。
    所在地:鹿児島県曽於郡大崎町菱田1441 
    ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅 管理棟2F
    代表者:千歳 史郎(代表理事)
    事業内容:12年連続を含む合計15回リサイクル率日本一を獲得した大崎町を舞台に、多様なパートナーと協働して研究開発・人材育成・情報発信などに取り組み、サーキュラーエコノミーと言われる「循環型のまちづくり」を推進する。
    設立:2021年4月
    大崎町SDGs推進協議会ホームページ:https://osakini.org/

    ・国立大学法人鹿児島大学 大学院理工学研究科工学専攻建築学プログラム
    "環境"を切り口に、建築や都市のより良いデザインを考える研究室です。万物にとって好ましい環境を創ることが建築学の普遍的な目標です。本研究室では、資源・材料・構法・建築・都市を横断する"研究活動"、研究で得られた知見に基づく"設計活動"、次代を担う人材を育成する"教育活動"により、その目標にアプローチします。"環境"に関する種々の課題に対し、自由な精神で向かい合い、解決策を見出し、それを社会に 実装する活動を行っています。
    所在地:鹿児島県鹿児島市郡元1丁目21−24
    環境建築研究室 准教授:鷹野 敦
    大学設立:1949年
    https://www.kagoshima-u.ac.jp/
    研究室設立: 2016年
    https://www.instagram.com/takano.stu/

     

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