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    日本の温水洗浄便座が「IEEE Milestone」に認定

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                       発売から半世紀以上を経て日本に「おしりを洗う」文化を根付かせた温水洗浄便座
                         先駆的に開発した3社の取り組みが社会に貢献した「歴史的偉業」として認定


    このたび、日本における温水洗浄便座を先駆的に開発した伊奈製陶(現・株式会社LIXIL)、東洋陶器(現・TOTO株式会社)、松下電器産業(現・パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社)が1967年から1979年にかけて発売した温水洗浄便座が、「IEEE Milestone※1」に認定されました。これは、電気・電子分野の世界最大の技術専門家組織であるIEEE(アイ・トリプル・イー)※2が、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的な業績を顕彰するものです。
    日本では、1960年代に温水洗浄便座が登場し、企業各社は長い時間をかけて信頼性の高い洗浄・乾燥機能等の商品開発や、普及活動に取り組み快適性と衛生性の新たな基準を確立してきました。その結果、温水洗浄便座はすでに国内の一般家庭の約8割※3に普及しています。半世紀以上の時をかけて日本に「おしりを洗う」文化を根付かせ、また、海外においてもその認知を拡大しつつあります。今回の認定は、日本が世界に誇る技術革新の一つである「温水洗浄便座」がその功績を認められた証しです。
    今後も日本で発展してきた温水洗浄便座の技術や「おしりを洗う」文化を世界に広め、衛生的で快適なトイレ空間の提供に取り組んでまいります。

    <今回の認定内容>
    Title: Pioneering Electric Bidet Toilets, 1967-1979
    名称:温水洗浄便座の先駆け、1967-1979
    In 1967, Ina-Seito introduced the Sanitarina 61, an electric bidet toilet engineered for Japanese users through anthropometric measurements and user-centered engineering. Significant subsequent electric bidets included TOTO's Wash-Air Seat which introduced an electrically controlled heated seat in 1969, and Matsushita Electric's DL-80 with electronic control in 1979. Each of these popular innovations improved personal hygiene, enhanced quality of life, and transformed sanitation technology in Japan.
    1967年、伊奈製陶は日本人の体格測定や人間工学に基づいて開発された、国産初の温水洗浄便座「サニタリイナ61」を発売しました。その後も、1969年に東洋陶器が発売した電気制御による暖房便座付きの「ウォッシュエアシート」、1979年に松下電器が発売した電子制御式の「DL-80」といった温水洗浄便座が相次いで登場します。これらの革新的な製品はいずれも広く普及し、日本の個人衛生を向上させ、生活の質(QOL)を高め、そして衛生技術そのものを大きく変革しました。
    ※1 IEEE Milestone:電気・電子をはじめとする技術領域において達成された画期的なイノベーションの中で、開発から25年以上経過し、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を顕彰する制度として1983年に創設された。 ※2 IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers):米国に本部をおく電気・電子分野の世界最大の技術専門家組織。1884年に創立のAIEE(米国電気学会)と1912年創立のIRE(無線学会)が1963年に統合して発足した。 ※3 内閣府「消費動向調査」より


    <参考情報>
    ・サニタリイナ61 (1967年・伊奈製陶)
    1964年に医療用として販売されていた、スイスのクロス・オ・マット社の温水洗浄便器の輸入販売を始めましたが、日本人の体型に合わず、すぐに国産化に取りかかり1967年に国産初の温水洗浄機能付きトイレ「サニタリイナ61」を発売しました。日本人のおしりの形を調べ、アンケートを取りながら、ノズルの位置や角度など、細部にわたる開発が行われました。ポンプの水圧でノズルを押し出し、温水でおしりを洗浄します。足元のスイッチ一つで、温風によるおしりの乾燥から、便器洗浄までを行う完全自動式で、画期的でした。 後の「シャワートイレ」に繋がる商品です。


    ・ウォッシュエアシート(1969年・東洋陶器)
    1964年に米国のアメリカン・ビデ社から輸入販売していた「ウォッシュエアシート」を外観から基本機構に至るまで大規模な改良を施し、1969年に国産化して発売しました。改良に際しては、外気温に関わらず安定した適温の温水でおしり洗浄ができる機構や快適な温度の温風でおしり乾燥ができる機構を独自に開発。スッキリした見た目でおしり洗浄機能、乾燥機能、暖房便座機能を搭載しました。後の「ウォシュレット」に繋がる商品です。
    ※「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です。

    ・DL-80(1979年・松下電器産業)
    1979年に松下電器産業が発売した「DL-80」は、電子式制御を本格的に導入した民生用温水暖房便座です。既存の便器に後付け可能な設計とすることで、トイレ設備全体を交換することなく導入できる利便性を実現しました。電気暖房機や電気湯沸かし器などの家電開発・製造ノウハウを活かし、温水温度や水圧を精密に制御する電子制御技術により、従来にない快適性と安全性を両立しました。後の「ビューティ・トワレ」に繋がる商品です。
    ※「ビューティ・トワレ」はパナソニック ハウジングソリューションズ株式会社の登録商標です。


    ■LIXIL(伊奈製陶)における温水洗浄便座の発展
    ・1967年:国産初シャワートイレ「サニタリイナ61」の誕生
    伊奈製陶は、東京オリンピックが開催された1964年、欧州で主に医療用として販売されていた、温水洗浄と乾燥機能がついた温水洗浄便器「クロス・オ・マット61」(スイス)の輸入販売を始めました。しかし、日本人の体型に合わず、修理部品も簡単に手に入らないことから、すぐに国産化に取りかかり、1967年に国産初の温水洗浄機能付きトイレ「サニタリイナ61」を発売しました。
    国産化にあたり、まず、日本人に最適な位置を割り出す必要性がありました。しかし、日本人のお尻の位置を示すデータは産婦人科や肛門科をはじめ、どこを探しても見当たらず、まずは社員の尾てい骨や肛門の位置を測定することからスタートします。測定方法は、身近な衛生陶器の製造過程で使われる粘土や石膏で「しり型」をとるという手法でした。やわらかい粘土に腰を下ろし、おしりのかたちがついたところで石膏を流して固め、その形から尾てい骨や肛門の位置を測定しました。当時、開発拠点である愛知県常滑市はまだ下水道が整備されておらず、洋風便器の使用が習慣になっていなかったため、座る位置も人によってバラバラとなってしまい、基準値を得るために何度も測定し直し、ようやくノズルの位置が決定しました。
    シャワートイレで重要なのが、おしりをキレイにする洗い心地です。そして、その洗い心地で特に大切なのは洗浄角度です。温水を浅い角度から当てるよりも、ノズルがお尻の真下に向かって伸びて、温水を垂直にあてるほうが汚れがキレイに落とせます。しかし、垂直に当てるとおしりを洗った洗浄水がノズルにかかってしまいます。最適な洗浄角度を追求した結果、垂直に近く、かつ清潔性を保てる角度が「約75度」であることを割り出しました。この真下から洗浄する洗浄角度の考え方は、現在のLIXILのシャワートイレにも受け継がれています。
    このようにして、ポンプの水圧でノズルを押し出し、温水でおしりを洗浄し、足元のスイッチ一つで、温風によるおしりの乾燥から、便器洗浄までを行う完全自動式の「サニタリイナ61」は誕生しました。


    ・1980年代:”女性の声”から生まれた「ビデ機能」
    シャワートイレの設置後にお客さまのご自宅に伺う機会があり、そこで「おしりだけでなく、デリケートゾーンを洗うことができないか」と意見をいただいたことをきっかけに、1981年に日本で初めて「ビデ機能」を搭載した「サニタリーナC1」を発売しました。
    1980年代後半になると、日本の下水道の整備が進み、トイレが水洗化され、シャワートイレが普及しはじめました。普及にともない、「おしりを洗ったノズルで、デリケートゾーンを洗いたくない」といった声があがり、生まれたのが「ビデ専用ノズル」です。それまで、1つのノズルにおしりを洗う水と、デリケートゾーンを洗う水が出る穴がついていましたが、ノズルがきれいとは言われても、便の跳ね返りへの心配をする方もいました。そして、ビデ専用にノズルから出る水の強さや、洗う範囲の広さを研究し、製品化にいたりました。そして、今ではLIXILの温水洗浄便座全機種で「おしり専用ノズル」と「ビデ専用ノズル」の2本にわかれています。

    ・2001年:トイレ空間としての快適性を追求。タンクレストイレ「サティス」登場
    時代とともに人々の価値観が変化し、トイレは機能や性能だけでなく、形状も追求されるようになります。2001年、最新機能をコンパクトにまとめたタンクレストイレ〈サティス〉を発売。洗練されたデザインは、トイレのインテリアに革新をもたらしました。それまでの狭くて暗い日本のトイレのイメージを刷新したのです。空間を広く使える快適性が評価され、日本のトイレ文化を変える革新的な商品となりました。水道の水圧を直接使用する洗浄方式にするなど、最新技術を駆使することで洗浄タンクをなくし、奥行き寸法、世界最小
    (2001年当時)を実現しました。その後、タンクレストイレは進化を続け、今や日本のトイレ市場の主流となっています。


    ・2024年:自らが掃除をするタンクレストイレ「サティスX」発売
    2024年には、自ら掃除して、キレイが続くタンクレストイレ「SATIS X」を発売しました。日本におけるトイレ空間は、排泄の場だけでなく、一人でほっと落ち着ける場所としての価値は向上してきましたが、忙しい現代人にとってトイレ掃除は嫌いな家事の定番です。このような背景からLIXILは、トイレ掃除の負荷を軽減し、ゆとりある暮らしを目指す新たなトイレを開発しました。
    トイレ掃除でユーザーが最も大変だと感じているのが便器の内側です。そこには汚物などの”目に見える汚れ”と、微粒子などの”見えない汚れ”が存在します。LIXILの衛生陶器は、これまで培ってきた焼き物の技術を活かし、水のチカラで洗い流して汚れを防ぐ「アクアセラミック」が搭載されています。「SATIS X」 は、さらに3つの洗浄機能で、”目に見える汚れ”と”目に見えない汚れ”どちらも自らがお掃除し、キレイがつづくタンクレストイレです。

    国産初の温水洗浄機能付き便器「サニタリイナ61」がすべての始まりでした。それ以来、私たちは心と身体のニーズを満たすシャワートイレを情熱的に追求し続けてきました。新しい色、形状、機能を常に検証し続けることで、日本のトイレ空間を単なる清潔な場所から、快適さと癒しを提供する空間へと変える体験を提供してきました。私たちは、世界中のお客様の暮らしを豊かにできるよう、テクノロジーとともに時代に合わせて進化し続けていきます。


    ■日本のものづくりの精神を世界へ
    ・人の温もりと技術が宿る、トイレ生産工場のものづくり
    人々の暮らしや心を豊かにするトイレ製品を届けるための、ものづくりの原点となる工場。
    毎朝、従業員は清らかに磨き上げられた床と、美しく整頓された工具の元へと集まります。この凛とした佇まいは、これから生み出される製品への敬意そのものです。そこには「お客様に少しでも長く、心地よく使っていただきたい」という強い想いが込められており、その願いは工場のすべての工程に息づいています。
    電装システムがもたらす快適さや、滑らかな便座に腰掛けた瞬間に包まれる安心感——それらはすべて、製造現場の「人の温もり」が形となったものです。人と自然の調和を想って描かれたデザインは、細部にまでこだわり抜く職人たちの手によって、命を吹き込まれます。単なる「作業員」ではなく、ものづくりのあらゆる段階において私たちの哲学を体現する「職人」であること。今この瞬間も、世界中のどこかで待っているお客様のために、その揺るぎない信念を形にし続けています。
    榎戸工場(LIXILの衛生陶器の主要生産拠点)
    知多工場(LIXILのシャワートイレの主要生産拠点)


    ・日本の心と技を世界へ発信する「トイレの文化館」
    清潔さや快適さにおいて、日本のトイレは世界の最先端を走り、さらに、本来の機能に加え、癒しの空間としても進化を続けています。2025年4月、LIXILが運営する愛知県常滑市のINAXライブミュージアム内に、新たにオープンした「トイレの文化館」は、独自の進化を続けてきた日本のトイレ文化を世界に発信するために誕生しました。
    日本のトイレはどのように進化してきたのでしょうか?
    江戸時代のトイレから最新のテクノロジーを搭載した革新的なトイレまで、その驚くべき歴史を、愛知県常滑市にあるINAXライブミュージアムの新しい施設「トイレの文化館」で知ることができます。LIXILの水まわり・タイル100周年を記念して開設したこの施設では、50点以上のトイレや資料を展示しています。



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