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    LIXIL、ジョージア工科大学のReinvented Toilet技術の実用化に向け、初となるライセンス契約を締結

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    ジョージア工科大学、ビル&メリンダ・ゲイツ財団との連携による実証実験を経て、製品化へとさらに前進

    ニューヨーク/東京ー株式会社LIXIL(以下 LIXIL)は、ジョージア工科大学率いる共同開発チームが手がける「第2世代再発明トイレ(G2RT: Generation II Reinvented Toilet)」の技術に関し、実用化に向けた初の商業ライセンスパートナーに選定されました。ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下 ゲイツ財団)が2011年から推進しているプロジェクト
    Reinvented Toilet Challenge(トイレ再発明チャレンジ)」の一環として、LIXILはゲイツ財団およびジョージア工科大学と連携しながら、過去4年間にわたって、排泄物を安全に処理することができる革新的なトイレ技術の実現に向けて、共同開発に取り組んできました。従来型のトイレとは一線を画すG2RTの開発には、総勢95名にのぼるエンジニア、科学者、工業デザイナーからなる世界的な研究開発チームが結成されました。従来型のトイレは、排泄物を処理するため、下水処理システムや浄化槽、汚水槽、便槽などを必要としますが、G2RTは、排泄物を直接その場で処理することができる機能を兼ね備えた独立したトイレシステムです。この新しいトイレシステムでは、排泄物の液体部分は浄化されて洗浄水として再利用され、固形汚物については高い熱と圧力を利用して有害な病原体を除去し、安全に堆肥としても利用可能な乾燥した固形物の状態に処理することができます。この仕組みによって、水の汚染を防ぐことができ、汚染された水が媒介する病気の拡散防止に役立ちます。

    G2RT

    G2RTは従来の下水処理システム等に接続せず排泄物を処理する機能を備えた独立型トイレシステム

    このような公衆衛生上の利点に加えて、G2RTは下水処理設備などのインフラや浄化槽が不要となるため、建設や設置にかかるコストの面でも大きな優位性があります。また大規模なインフラ開発が不要なため、これまで下水道の整備が困難だった地域においても衛生環境の改善につなげることができます。

    LIXILのSATO事業部およびLIXIL Public Partnersを統括する常務役員のErin McCusker (エリン・マッカスカー)は、次のようにコメントしています。「LIXILは『世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現』を目指し、衛生問題の解決に取り組んでいますが、世界では何十億人という人びとが、安全な水やトイレ、手洗い設備を利用できない環境で暮らしているという現実があります。私たちは、イノベーションを通じて、排泄物の処理を個別に行うことができ、低コストかつ信頼性のあるソリューションを生み出すことで、安全な水と衛生へのアクセスを向上できると考えています。まさに家電のように利用可能なG2RTは、衛生環境の改善に向けて、これまでの障壁を取り払うソリューションになると期待しています。より安全で快適かつフレキシブルな衛生設備を世界の人びとに提供できるよう、今後も研究開発への投資を継続し、G2RTの実用化に向けて取り組みを続けてまいります」

    ジョージア工科大学が開発したG2RT技術は、電源があれば、給排水システムに接続することなく、独立して機能するソリューションです。ジョージア工科大学とのパートナーシップの下、LIXILは実用化に向けて商業アドバイザーとして助言を提供するとともに、フロントエンドデザイナーとして製品開発と製造に関与し、米国、欧州、南アフリカ、インド、中国において実験施設や家庭内での実証実験に使用された計24台の試作品を提供しました。この試作品は、米国と欧州の実験施設での検証を経て、南アフリカとインドの一般家庭での実証実験を行いましたが、国際的な衛生基準を満たし、安全で清潔な衛生環境をすべての人に提供できるようなソリューションとなることが科学的な検証結果から示唆されています。今後もLIXILは、当技術初の商業ライセンスパートナーとして、公共施設や家庭での利用を想定し、双方のニーズに対応する技術開発に投資していきます。

    G2RTの共同開発チームを統括する、ジョージア工科大学 機械工学部 教授のShannon Yee(シャノン・イー)氏は次のようにコメントしています。「LIXILとパートナーシップを組み、大規模なインフラに代わる機能を備えた衛生ソリューションの共同開発を主導できることを光栄に思います。将来を見据えると、世界の半数にのぼる人びとがトイレを必要としている一方で、残りの半数にはより良いトイレが求められていると考えています。G2RTを最も必要としている人々に届けることができるよう、次のステップである製品化に向けて取り組んでいきます」

    2023年時点で、世界では約35億人もの人が安全に管理された衛生環境を利用できずコレラや赤痢のような病気のリスクにさらされています。商業ライセンスパートナーであるLIXILは、ゲイツ財団の「グローバルアクセス」の理念に賛同し、安全な衛生設備を最も必要とする人々に対して、革新的なソリューションを確実に届けることを目指します。さらに、公共部門とのエンゲージメントや連携に特化したLIXILの専門部隊であるLIXIL Public Partnersは、水と衛生の分野における家庭向けソリューションの提供に注力しており、G2RTのデザインコンセプトの開発、応用を主導していきます。従来型の衛生設備が利用できない地域への展開に加え、公衆トイレや災害時の利用を想定し、実用化に向けた取り組みを推進します。

    ゲイツ財団の水と衛生プログラムの暫定ディレクターのDoulaye Kone(ドゥライェ・コネ)氏は次のようにコメントしています。「すべての人に安全な衛生設備を提供するためには、LIXILのような企業がリーダーシップを発揮し、新しい衛生技術を市場に投入し、大規模に展開することが非常に重要です。LIXILは設計をはじめ、多様なニーズに対応する製品の開発において専門性を有しており、最も必要とする人びとに製品を届ける上で重要な役割を担います。そして、こうした取り組みは、ひいては健康や生産性、ジェンダー平等の面においてもプラスの効果を生み出すことでしょう」

    LIXILの取り組み、インパクト戦略の詳細についてはこちらをご覧ください。

    About the Georgia Institute of Technology
    ジョージア工科大学は、全米トップクラスの州立大学の一つで、技術の進化と人びとの生活をより良くすることにフォーカスし、リーダーの育成を行っている研究機関です。ビジネス、情報科学、デザイン、エンジニアリング、リベラルアーツ、科学などの学科があり、全米50州と世界148か国以上から集まった約45,000人の学生がジョージア州アトランタのメインキャンパス、フランス、中国のキャンパス、オンラインプログラムを通じて学んでいます。世界を代表する工科大学として、政府、産業、社会の発展のために年間10億ドル以上を研究に投資し、ジョージア州とアメリカ南東部のみならず米国全体の経済発展を牽引しています。

    本件に関するお問い合わせ先
    コミュニケーションズ部門
    コーポレートコミュニケーションズ室
    ジョアン・ラドクリフ   
    pr@lixil.com               
    TEL:080-9439-0693

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