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    環境負荷を低減するアルミリサイクルに関するLIXILの取り組み報告書を公表

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    株式会社LIXIL(以下LIXIL)はこのたび、アルミリサイクルに関する動向と当社の取り組みをまとめた報告書を公表しました。

    近年、世界各地で猛暑が相次いで報告されており、脱炭素化はグローバルで緊急に取り組まなければいけない最重要課題です。また、世界のCO₂排出量の55%はエネルギー転換で
    削減できる一方、残る45%はリユースやリサイクルなどの推進によって削減する必要があるとされており、脱炭素化の実現には、再生可能エネルギーへの切り替えだけでなく、循環型社会・経済(サーキュラーエコノミー)への移行が欠かせません※1。

    このような中、脱炭素社会へのカギとなる素材のひとつがアルミです。例えば自動車や鉄道車両などの輸送機器では、他の金属に比べて比重が軽いアルミがよく使われています。また、建設分野では、ビル建材として強度や耐候性に優れたアルミを効果的に使うことで、建設資材の軽量化のほか、建設工程での重機の使用機会を減らし、建設費の縮減や工期の短縮など、直接的な省エネ化にもつながります。
    このように、さまざまな分野で使用されているアルミは、今後世界各地でますます需要が増え、2050 年までに世界全体の生産量は今の50%以上になると予想されています。

    一方で、アルミの新地金は製錬の際に多くの電気を必要とするため、大量のCO₂排出につながるという問題があります。CO₂を排出しない太陽光発電などの再生可能エネルギーに転換した場合でも、アルミ製錬に必要な膨大な電力需要を賄うことは困難です。製錬時における環境負荷を減らすためにポイントとなるのが、新地金を使用しないリサイクルアルミの活用推進です。アルミは他の金属と比べると融点が低いため、少ないエネルギーで溶解して再資源化できる素材です。地下資源から新地金を製造する場合と比べてリサイクルに必要なエネルギーはわずか3%ほどです。つまり、アルミ製品の原材料を、新地金からリサイクル材に置き換えることで、CO₂排出量を97%削減することができます。アルミの需要が伸びている側面からも、脱炭素化へ向けた大きなポテンシャルがあります。しかし、アルミの展伸材におけるリサイクルは高い技術が必要となり、10%程度にとどまっているの※2が現状です。

    このたび、当社がまとめた「脱炭素社会に向けた資源循環の促進 ―環境負荷を低減するアルミリサイクル―」では、社会にとって必要不可欠なアルミリサイクルの最前線に加え、当社が独自の技術を通じて目指すアルミの「クローズドループリサイクル」について収録しています。

    LIXILの前身となるTOSTEMの技術者たちが、“無駄にしない精神”から着想し、25年以上も前から向き合ってきたアルミのリサイクルに関する取り組みが、ようやく環境価値として認められ注目を集めています。
    現在、LIXILにおけるアルミのリサイクルに関する取り組みは多岐にわたります。まず、アルミを調達する時は、新地金にグリーンアルミの調達を推進するだけではなく、市中スクラップを活用したリサイクル推進を積極的に進めています。アルミ製造プロセスにおいて
    は、発生する廃棄物も課題と捉え、製造過程で生じるアルミ端材のリサイクル100%達成はもちろんのこと、従来産業廃棄物として処理していたものの再利用や有価物化を進めています。

    四半世紀以上にわたり積み重ねた技術研究の知見を活かして、LIXILのアルミ製品におけるリサイクルアルミ使用比率は78%に達しています。今後も、アルミのリサイクルについてこれまで誰も取り組んでこなかったようなことに、長期的な視点をもってさまざまな角度からチャレンジし、業界をリードできる存在となれるよう取り組んでまいります。


    ※1 出典:COMPLETING THE PICTURE: HOW THE CIRCULAR ECONOMY TACKLES CLIMATE CHANGE
    ※2引用:一般社団法人日本アルミニウム協会アルミニウムVISION(https://www.aluminum.or.jp/vision2050/)

     

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