スマートホームで障がい者の自立と福祉現場の業務負荷低減を支援 LIXILが次世代グループホームの実証プロジェクトに参画
(2026年7月21日~22日に長崎県雲仙市にて開催されたプロジェクトのキックオフミーティング)
「Life Assist2」を活用し、自動施錠による安全確保から室温調整、プライバシーに配慮した見守りまで一括サポート
株式会社LIXIL(以下 LIXIL)は、社会福祉法人南高愛隣会が日本財団の助成を受けて2026年4月に開始した実証プロジェクト「知的障害者の自立促進と適切な支援のためのスマートホーム技術活用プロジェクト」に参画しました。
LIXILは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というPurpose(存在意義)のもと、インパクト戦略の優先取り組み分野の一つとして「多様性の尊重」を推進しています。「すべての人にインクルージョンを」をスローガンに、年齢や障がいの有無にかかわらず、すべての人が快適かつ安全に暮らせるユニバーサルデザイン製品・サービスの提供や、誰もが互いに尊重し合えるインクルーシブな社会の実現に向けた取り組みを多角的に推進しています。
現在、障がいのある方の中で入所施設から地域社会での一人暮らしへの移行を希望する声がある一方、支援体制の不備や支援者の深刻な人材不足が大きな課題となっています。特に、夜間の支援不足や家族の安全面への懸念が、地域移行を阻む要因となっています。こうした中、障がいのある方の自立支援と福祉現場の業務負荷低減をいかに両立させるかが、喫緊の課題となっています。
こうした背景のもと、これまで多くの地域移行を支援してきた南高愛隣会は、限られた人員でもサービスの質を落とさず自立支援を推進するにはテクノロジーの活用が不可欠であると考え、本プロジェクトを発足させました。
本プロジェクトは、長崎県雲仙市にある単身型のサテライト型グループホーム(全10戸)において、住まいにスマートホーム機器やIoT技術を導入・調整し、知的障がいのある方10名の暮らしを遠隔からサポートする取り組みです。
LIXILは、これまで住宅領域で培ってきたスマートホームの知見や技術を介護・福祉領域へ応用すべく、本プロジェクトへの参画を決定しました。実証対象となる10戸のうち5戸において、スマートホームシステム「Life Assist2」を活用し、利用者の自立生活支援と、支援者の業務負担を軽減し、持続可能な支援体制を構築することを目指します。
具体的には、各種センサーによる遠隔見守りや室温管理の自動化、スマートロックによる施錠管理などを、対象者一人ひとりの能力や特性に合わせて「Life Assist2」で設定し、生活の変化や支援者の業務時間・心理的負担の変化、利用者のQOL(生活の質)等を第三者機関とともに多角的に検証します。
さらに、得られた実証データをもとに、将来的には厚生労働省主催事業の「日常生活用具給付等事業」へのスマートホーム機器追加など、国の制度変革や政策提言も見据えて取り組んでまいります。
■本プロジェクトにおいて「Life Assist2」が実現すること
【安全・防犯対策】
開閉センサー、スマートロック、電動シャッターを連携させることで、鍵のかけ忘れリスクの軽減や遠隔からの施錠確認を自動で行います。利用者は鍵管理の手間や防犯上のリスクが低減し、支援者も現地に赴くことなく遠隔から安全を確認できます。
【生活リズムと快適性】
温湿度センサーとスマートリモコンが連動し、室温に応じたエアコンの自動制御や照明の定時ON/OFFを行います。熱中症などのリスクを抑制し、利用者が快適かつ規則正しい生活リズムを自然に維持できるようサポートします。
【安心の見守りと負担軽減】
カメラ(映像)を使わず人感センサーを活用することで、プライバシーに配慮しながら利用者の在室状態や室内での活動(動きの有無)を把握する遠隔モニタリング環境を提供します。「監視されている」という精神的ストレスを与えずに日中の無事や異変を感知できるため、支援者は頻繁に訪問しなくても生活状況を把握でき、見えない不安や心理的負担が大幅に軽減されます。
単なる設備の導入にとどまらず、現場の支援者の経験や知見と「Life Assist2」のテクノロジーを融合させることで、利用者の自立と支援者の負荷軽減を両立する持続可能な福祉住宅モデルの確立を目指します。
LIXILは今後も、社会課題に挑むイノベーションを創出し続け、誰もが互いに尊重し合い自分らしく暮らせるインクルーシブな社会と、すべての人びとの豊かな暮らしの実現に向け貢献してまいります。
<参考資料>
■ 実証プロジェクトの概要
プロジェクト名:知的障害者の自立促進と適切な支援のためのスマートホーム技術活用プロジェクト
期 間:2026年4月1日~2027年3月31日(次年度も申請・採択されたら継続予定)
場 所:長崎県雲仙市内の単身型グループホーム(サテライト型)
対 象 者:南高愛隣会が支援する知的障がい者10名
検証内容:
(1)知的障がい者の住宅への機器・サービス整備、調整、メンテナンス
(2)知的障がい者の生活等の変化および支援者の支援時間・内容等の変化の記録
■ プロジェクト関係者コメント
・社会福祉法人 南高愛隣会 常務理事 松村真美 氏
当法人は、障がいのある方の「豊かな暮らし」の実現を目指し、知的障がい者の生活支援や就労支援などを行っています。現在、長崎県に9拠点で1,000人を超える利用者の支援をしていますが、利用者にどんな暮らしをしたいかインタビューをすると、約60%ほどが「地域で結婚したい」、約20%ほどが「一人暮らしをしたい」とお答えになります。私たちは、グループホームで完結するのではなく、こういった利用者の希望が実現するように支援し続けてきました。今回のプロジェクトでテクノロジーの力を借り「安心・安全で自立的な暮らし」の可能性を更に高めたいと願っております。この実証モデルが、全国20万人のグループホームで暮らす障がいのある方々のお役に立てれば幸いです。
・一般社団法人LIVING TECH協会 事務局長 長島功 氏
スマートホームは、私たちの暮らしを便利で豊かにしてくれるものですが、その裏側で何らかの課題解決ができることが価値だと考えています。単身・共働き・子育て世帯それぞれに使い方や用途がありますが、知的障がいや身体に障がいのある方にとっては、生活するうえで必要不可欠となりうるものだと思います。今回のプロジェクトを機に、必要とする方たちに情報を届け、課題解決の選択肢としてスマートホームが利活用される世の中にしていきたいと考えております。
・株式会社LIXIL デバイス事業部 IoT事業推進部 チームリーダー 神垣雅也
「LIXILは『人・モノ・情報がつながることで、より便利で安心な暮らしへ』というスローガンの下、先進的なIoTデバイスやサービスと連携し、より良い暮らしを実現すべく2018年からスマートホームに取り組んでいます。単なる機器導入をゴールとするのではなく、支援者の皆さまの経験や知見と連携しながら『利用者が安心して自分らしく暮らせる家』、そして『支援者が利用者一人ひとりとしっかり向き合う時間を持てる環境』の構築に貢献してまいります。」
■ 一般社団法人LIVING TECH協会 発表プレスリリース
本プロジェクトにおいてプロジェクトマネジメント全般を担当する一般社団法人LIVING TECH協会からも、本実証に関するプレスリリースが配信されています。
詳細につきましては下記URLよりご参照ください。
プレスリリースURL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000057987.html
一般社団法人LIVING TECH協会 公式HP:https://www.livingtech.or.jp/