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    【水の機能研究発表】 水割りウイスキーの香りを決める新たな鍵は、水の「アルカリ度※1」

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    ~割水のアルカリ度が高いと、ウイスキーの華やかな香りが保たれることを発見。地域による水道水質の違いが「水割りの香り」に影響する可能性も~

    株式会社LIXIL(以下、LIXIL)は、水の価値を高めることが、生活のクオリティ向上にもつながると考え、浄水技術などを通じて水の可能性を追求しています。その一環として取り組んでいる研究の中で、今回新たに、ウイスキーの水割りに「アルカリ度」が高い割水を使用することで、フルーティーな果実のような華やかな香り成分が分解されずに多く保たれることを解明しました。本研究成果は、日本食品科学工学会 第73回大会(2026年8月26日〜28日・宮城県・仙台市)にて発表いたしました。
    ※1:水中の炭酸塩又は炭酸水素塩等のアルカリ分を炭酸カルシウム濃度に換算して、水が酸を中和する能力を表した水質指標。水の「pHを一定に保とうとする力」を示します。

    ■研究背景
    水道水には、さまざまな成分が含まれており、飲料の風味(香りと味を合わせて感じる感覚)に影響を与えています。LIXILではこれまで、水のpH緩衝能(pHを一定に保とうとする力)の指標となる「アルカリ度」に着目し、2024年には緑茶や紅茶、コーヒーの風味に「アルカリ度」が大きな影響を及ぼすことを発表(※2024年11月27日リリース参照) しました。
    ウイスキーは、数あるお酒の中でも加水(水割り等)によって香りが大きく開くことが知られており、割水の種類や水質に強くこだわる文化が根付いています。近年では海外の研究でも「加水による香りの変化」が科学的に注目されていますが、割水の「アルカリ度」がウイスキーの香りに及ぼす影響についてはこれまで解明されていませんでした。そこで今回は、割水のアルカリ度がウイスキーの香気成分に及ぼす影響について、LIXILが有する成分分析技術と網羅解析技術を駆使し、科学的に検証しました。

    ■研究概要
    アルカリ度を調整した4種類の割水(0, 50, 100, 300 mg/L)を用意し、市販のウイスキーを水割りにした際の香気成分を分析しました。その結果、香気成分の多変量解析により、ウイスキーの重要香気成分であるジエチルアセタール※2の検出量が、割水のアルカリ度が高くなるにつれて増加することが明らかになりました(図1、2)。
    ※2:ウイスキーにおいて果実様の華やかな香気特性を持つことが知られているフレーバー成分。

    次に、実際の飲用水での影響を確認するため、アルカリ度が異なる3地点(福岡:20 mg/L、大阪:45 mg/L、東京:80 mg/L)の水道水を用いて同様の試験を行ったところ、アルカリ度が高い地点の水道水ほどジエチルアセタールの検出量が多くなる傾向が得られました(図3、4)。この結果は、地域による水道水質の差によって、同じウイスキーでも水割り後の香りの感じ方に違いが出る可能性を示しています。


    この割水のアルカリ度が及ぼす効果のメカニズムを解明するために、目印を付けたジエチルアセタール(以下、標識化アセタール)を添加したウイスキーで水割りを作り、分析を行いました。その結果、アルカリ度が低い割水では、標識化したアセタールが加水分解してしまう一方、アルカリ度が高い割水ではこの加水分解が抑えられていることが明らかとなりました(図5、6)。このアセタールの加水分解はpHが低い条件で起こりやすくなると言われているため、水割りウイスキーのpHを測定したところ、割水のアルカリ度が高いと、水割りウイスキーのpHも高くなることが確認されました(図5、6)。これらの結果から、アルカリ度のpH緩衝作用が、水割りウイスキーのpHを上昇させ、アセタールの加水分解を抑制したことが、ウイスキー本来の華やかな香り成分が多くなるメカニズムだと考えられました(図7)。


    ■研究まとめ
    今回の研究により、割水のアルカリ度を調整することで、ウイスキーの持つ華やかな香りをより楽しめる可能性が示唆されました。今後、アルカリ度をはじめとする水質因子と飲料風味との相互関係をさらに明らかにしていくことで、食材や調理に合わせた「最適な水を選べる豊かな暮らし」の実現に貢献できると期待されます。

    LIXILは、今回得た知見を、水の価値をさらに高める技術や製品の開発に活かし、誰もが願う豊かで快適な住まいの実現に向けて貢献していきます。


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