未来を築く力:LIXILでの挑戦と成長
LWT APAC Flagship Store & PCS Sales シンガポール リーダー
Ivan Choo
これまでの経歴やLIXILに入社したきっかけを教えてください。
私にとってLIXILは、新卒で入社してから現在に至るまで、私のキャリアの全てが詰まった場所です。大学では会計財政学の学位を取得し、通常であれば監査や経理の仕事に就く方が多いと思いますが、私は監査会社ではなく、一般企業で働くことに強い興味があったため、LIXILのグローバルブランドの1つであるGROHEに応募しました。
私のキャリアは、ビジネスアナリストとしてスタートしました。まずは、営業チームの会計ビジネスパートナーとして、シンガポール、フィリピン、カンボジア、台湾を含む様々な地域のサポートを行いました。当時は、予算編成から経営予測や運用レポートまで幅広い役割を担っていました。これらの経験のおかげで、事業のコアや基盤となる部分の理解が深まったと思います。
2年後、私は心機一転したいと思うようになりました。タイミングよく、シンガポールの地域事業における営業チームのポジションの募集がありました。私はそのポジションに惹かれ、当時のリーダーが後押しをしてくれました。機会に恵まれ、2016年に私は事業開発のアシスタントマネージャーとして働き始めました。
従業員の育成と個々の成長をサポートしてくれるLIXILの環境には本当に感謝しています。役職に関連する学歴がなくても、チャレンジする機会を与えてくれる環境です。一般的には、経理の人間に営業のポジションが与えられることは少ないと思います。それでも私はその機会を得ることができ、さらなる挑戦を続けています。それ以来、事業開発を含む他の役職も経験しています。現在では、フラグシップストアやプレミアム カスタマー セールス(PCS)ビジネスの営業リーダーの役職に就いていおり、とても充実したキャリアを築くことができています。
この業界を選んだ理由は何ですか?また、新たな役職に転換した時のことを教えてください。
大学卒業時には、私のスキルを活かすことができ、グローバルで活躍できる企業にとても魅力を感じていました。入社後にさらに挑戦したくなり、営業にチャレンジすることに決めました。営業は確かに大きな挑戦ではありましたが、チームや会社からのサポートが私の成長を後押ししてくれました。
信頼は、役割が変わる際にとても重要な要素だと考えます。LIXILは自分の意見や考えを自由に述べ、事業の成長への自分なりのビジョンを共有するように求められます。
会社、チーム、リーダーの皆さんが提供してくれる環境のおかげで、私は何も恐れることなく自分らしく働くことができています。私たちの行動や考え方の基盤となるLIXIL Behaviorsの一つに、「実験し、学ぶ」があります。新しい役職に就いたばかりの困難が多い時期にこそ、自由に発言できる環境は本当に重要です。私は自分の殻を破り、成長する機会を与えられ、目の前にある挑戦を心から楽しむことができました。継続的なサポートと後押しもまた、不可欠な要素と言えるでしょう。これらは、私が仕事への自信と確信を得るために大きな役割を果たしてくれました。
GROHEに入社し、LIXILに対する理解を深められてから、私は仕事での充実感を得られる会社で働けているのだと気付きました。LIXILの規模は大きく、ブランドや製品も非常に幅広いものを扱っています。また、私たちが製造し、提供する製品が世界中の何十億もの人びとに届いていると実感できることは、本当に素晴らしいことです。私たちは、浴室を単なる機能的からそれ以上のものに変えています。そして、LIXILが地域社会に還元しているという点に関しても、LIXILの一員としてとても嬉しく感じています。
LIXILではどのような経験をされましたか?
LIXILが提供する数々の機会に、私はとても恵まれてきました。シンガポールの小売業という比較的小さな市場でも、成長の余地が大きくあります。
営業チームに参加した当初は、会社としてもビジネスモデルの大きな転換期を迎え、新たな事業の開拓に乗り出している時期でした。その中の大きな取り組みの一つとして、シンガポールに自社の小売店またはショールームを新設するプロジェクトがあり、私はそのチームに参加することになりました。
このプロジェクトでの経験もまた、とても価値のあるものでした。このショールームは、運営やデザインも含め、LIXIL初となる自社開発によるショールームだったのです。そこで私たちは、サプライヤーや販売代理店、顧客との豊富な経験を積んだチームの力を活用しました。通常、ほとんどのショールームが流通店によって運営されていますが、私たちは未知の領域に踏み出し、新しいビジネスモデルを開拓することにしたのです。自分たちで運営する過程には数々の挑戦が待ち受けていました。これらの取り組みの最前線に立っているうちに、私は自分の殻を破る必要がありました。固定観念にとらわれないこと、革新的であること、そして私たちが常々言っている、「新たな価値の提供に、誇りを」生み出すことにつながったのです。
ショールームの新設は始まりに過ぎません。それは数々の新たな刺激的な仕事の1つです。その後の課題は、この事業とショールームを持続可能なものにすることでした。そのためには、様々な戦略やモデル、経験から学び、チームとして他者と密接に連携することが求められます。これはまさに、LIXIL Behaviorsの1つである「実験し、学ぶ」を体現するものです。
プロジェクトの中で困難はありましたか?それらをどのように乗り越えていきましたか?
このプロジェクトを実行するにはチームの協力が不可欠でしたが、このような活動経験を持つ人がおらず、経験不足が課題となりました。そのため皆が協力し、LIXIL全社のチームや部門の方々から知識を集める必要がありました。これらの取り組みには、次のようなものがありました。
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従来のBtoB決済の仕組みを応用し、エンドユーザーとの決済を可能にするシステムの構築をITチームと協力し行いました。
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空間デザインにブランドチームと製品カテゴリーチーム両方の視点を取り入れ、融合できるよう密接に連携を取りました。
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小売部門長を初めて採用するにあたり、HR部門が採用アシスタントとして重要な役割を担いました。業界の特性や、適切なチャネルやエージェンシーを理解し、効果的に採用を進めるためのサポートを提供してくれました。
私にとって初めての仕事内容でしたが、信頼し任せてもらうことができました。プロジェクトを効果的に進めるために、私自身でも調査を行い学びを深めていきました。比較的小さなチームでしたが、直属の上長が大きなサポートをしてくれました。プロジェクトの実行を可能にし、そして成功につなげるための様々な指導やフィードバックをくれたのです。タイムスケジュールの管理と、予算内でプロジェクトを進めるために中間目標を定めるといった、計画を立てることも非常に重要でした。
複数の部門との協力や、その過程においてLIXILの企業文化がどのように影響を与えたのか教えて下さい。
部門ごとに優先順位や目標が異なるため、部門を超えて協働していくことには困難が伴います。しかし、この点においてLIXILが優れているのは、「正しいことをする」や「敬意を持って働く」というLIXIL Behaviorsがあることです。これにより、役職や経験年数を問わず、自身の持つ視点や意見を自由に共有する文化が生まれています。
このことを説明するのに、私たちのフラグシップストアにおけるプロセスは良い例です。ゼロから始まったショールームチームですが、日々の経験から様々なアイデアが生まれました。物事がうまくいっていない時には、メンバー全員が自由に意見を交換し合います。経験や役職に関わらず、リーダー陣はチームメンバーの意見に真摯に向き合います。
一般的に、グローバルメーカーの小売チャネルにおけるビジネスモデルと言えば、費用効果の高いGTM戦略に向けて現地の流通店とパートナーシップを築き、国内の代理店ネットワークを活用することが主流です。しかし、私たちは異なる事業戦略に挑戦しました。私たち自身で市場の知識に基づいて従来の流通店の役割を担い、シンガポールにおける独自の代理店ネットワークを築くことにしたのです。この試みが役員チームでも協議され、ついに2年以上にわたる新しい小売戦略が実行されることになりました。2016年から2018年にかけて、シンガポールで50以上の販売拠点を取得するという成功を収め、小売事業の成長に大きく貢献しました。DtoCアプローチを活用し、チームは2020年のeコマースオペレーションの立ち上げや、2023年のLIXIL Experience Centerの設立など、小売事業をさらに拡大することができました。
従業員の声に耳を傾けることで、適切なリソースを割り当てて懸念点を解決し、チーム内に存在するギャップを埋めることができます。このアプローチにより、チームメンバーそれぞれの観点をプロセスの改善に活用することとができるのです。
LIXIL Behaviorsの「実験し、学ぶ」は、どのような結果をもたらしましたか?
現在、私たちはシンガポールで新しい体験施設のオープンに向けて準備を進めています。第1号店の設立以来、「実験し、学ぶ」ことで多くの価値ある経験を積み重ねてきました。
その過程で得た知見は非常に貴重であり、第2号のオープンに向けて正しい戦略を選ぶ基盤となっています。市場を理解し、デザイナー、建築家、顧客といった重要なステークホルダーのニーズの変化を捉え続けることが不可欠です。
LIXILは従業員に大きな信頼を寄せています。従業員が全力を注ぎ、成功できる環境を整えるための投資を惜しみません。新しい店舗もまた、Experience Centerと同様に、実験し学ぶことが多くあるでしょう。それは私たちの事業にとっても重要な節目となり、大切にすべき体験です。
シンガポールの小売業の拡大は、私が貢献した大きな功績の一つです。当初は小さなチームでしたが、現在ではシンガポールの国際ブランドのマーケットリーダーになりました。チームも30人ほどに拡大し、その成長に貢献できたことは誇るべき成果です。これまでの経験や克服した課題、そして達成した成果は、私の仕事のやりがいを飛躍的に高めてくれます。また、会社が人材に積極的に投資し、新しいアイデアを生み出すことに意欲的であることは、さらにわくわくさせてくれる要素でもあります。
LIXILでの経験はリーダーシップスタイルにどのような影響を与えていますか?
私のリーダーシップスタイルは、私の上長の影響を大いに受けています。彼はチームメンバーに対して揺るぎない信頼を寄せており、その姿は私のお手本です。個々に裁量を与え、私たちが日々の仕事を効率的に進められるようにしています。つまり、マイクロマネジメントやトップダウン方式は存在しません。このアプローチの素晴らしさを学び、私も自身のチームに対して同様のやり方で接しています。
私はリーダーとして、チームのさらなる成長と発展を信じています。以前、業績が優秀でトレーナーになることを強く希望していた小売部門長がいました。そこで私は、彼女をまずはシンガポールチームのトレーナーとして任命し、新しいチームメンバーの育成を任せました。1年後、別の地域で同様のポジションの募集があった際、彼女はそのポジションに応募できる実力を身につけていました。
私は、チームメンバーとの日常のコミュニケーションや繋がりを大切にしています。パンデミックという困難な状況を経験したことで、チームがどのような状況にあるかを理解することの重要性を実感しました。チームが抱えている問題を知り、互いにどのようにサポートできるかを考えることが重要です。オープンなコミュニケーションチャネルを持ち、その場に参加することが鍵になります。これを優先事項にし、ウェルネスとモラルを追求することで、強力で信頼性のあるパフォーマンスを発揮できると考えています。
LIXILでのキャリアをめざしている人に一言お願いします。
私がLIXILに在籍し続けている理由は、会社が私に与えてくれる機会の多さにあります。私はこれまでに3年間以上同じ内容の仕事をし続けたことがありません。常に新しい挑戦が待っており、このダイナミックな側面が私のモチベーションに繋がっています。誰もが、同じことをいつまでも続けたくはないでしょう。ありがたいことに、会社は私に様々な機会を与え続けてくれています。そしてそれらは、仕事のやりがいと充実感をもたらしてくれます。
私にとって特に重要なものの1つに、持続可能性があります。これは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)と同様に注目されているテーマです。気候変動は深刻化しており、世界中で過去には経験したことのない自然災害が発生しています。私たちの業界も含む多くの企業が、この持続可能性という課題について話し合い、取り組みを進めています。私は、LIXILが会社として環境にインパクト(良い影響)を与えられるよう活動していることを誇りに思っています。また、私たちは、発展途上国の人びとに基本的な衛生設備を提供することなど、様々な活動に取り組んでいます。これらの取り組みは私にとってとても大切です。意義のある仕事を優先する会社の一員であることは、私の貢献がより重要であると感じさせてくれます。
LIXILでは、素晴らしいキャリアを築くことができます。個々の仕事に取り組む姿勢と献身が、キャリアでどれだけの高みに到達できるかに直接影響するのだと私は考えています。ここでのキャリアを通じて、私は数多くの機会と出会うことができました。他の企業でも似た経験ができるかもしれませんが、自己への投資と成長への努力を惜しまない姿勢があれば、LIXILは必ず機会を与えてくれる会社だと思います。自分のキャリアを形作るのは自分自身であり、LIXILはそれを実現することのできる場所です。