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    LIXIL 2022年3月期第3四半期決算(IFRS)

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    引き続き事業環境厳しいも、9か月累計では前年同期比で増収増益

    ■日本の一部事業で部品調達難と物流ひっ迫の影響受けるも、欧米の好調な売上継続とアジア太平洋地域での経済活動の回復により増収
    ■第3四半期は原材料等のコスト上昇により減益なるも、体質改善施策と期初からの販管費削減の継続、機動的なオペレーションにより、売上総利益率と事業利益率は前年同期比で改善を維持

    株式会社 LIXIL(以下 LIXIL)は本日、2022年3月期第3四半期の決算を発表しました。

    ◆LIXIL 社長 兼CEO 瀬戸欣哉のコメント
    「第3四半期は、引き続き厳しい事業環境の中で、国内の一部事業で部品調達難や物流ひっ迫の影響を受けたものの、欧米地域の好調な売上に支えられ、アジア太平洋地域においても経済活動の回復が進展したことにより、9か月累計では増収増益となりました。一方、第3四半期3ヶ月では原材料価格の更なる上昇と、特に日本において様々な部品の供給問題に対応したことでコストが増加し、前年比で減益となりました。しかしながら、従来より進めてきたサプライチェーンの冗長化とデジタル化の推進や構造改革により、こうした問題にも機動的に対応することができました。厳しい事業環境は今後も継続すると予想されますが、LIXILでは明確な経営方針の下で、環境の変化に柔軟に対応できる体制を強化してきました。この逆境を勝ち抜くための、強固な基盤を構築してきたのです。

    持続的な成長の実現に向けて、当社では収益性を高め、サプライチェーンを強化し、変化に対応する機動力とレジリエンスの向上に取り組んでいます。また、事業活動と製品・サービスを通じた気候変動への一層の対応が求められる中、これを事業機会として捉え、気候変動の緩和に向けた貢献につなげていきます。特に日本においては、約90%の既存住宅が現行の省エネ基準を満たしておらず、高性能窓などの製品やサービスを提供することにより、住宅の断熱性を高め、省エネ化を推進するという重要な役割を果たすことができます。さらに、アルミや樹脂サッシのリサイクルの推進や、リサイクル素材を活用した製品開発により、資源の持続可能な利用を追求しています。当社は、世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現に向けて、差別化された製品やサービスの提供によって持続的成長を達成し、ステークホルダーの皆さまに長期的な価値を提供してまいります。」

    ◆決算の概要(9か月累計)
    ・売上収益
    2022 年3月期第3四半期の連結売上収益は、第3四半期3か月では国内の一部事業における機器の供給不足や部品調達難の影響により減速しましたが、需要の高い商品の安定供給と引き続き好調な海外のLIXIL Water Technology (LWT)事業が寄与して、9か月累計では前年同期比4%増の10,744億円となりました。国内事業の売上収益は、2021年3月期に行った事業売却の影響により、前年同期比2%減の7,524億円となりましたが、売却の影響を除いた場合には1%の増収となりました。衛生に対する関心やリフォーム需要の高まりを背景に、非接触化や快適性を向上させる商品の売上が引き続き堅調でした。一方、海外事業の売上収益は、欧米での旺盛な需要の継続とアジア太平洋地域の経済回復に支えられ、前年同期比20%増の3,377億円となりました。

    ・事業利益
    第3四半期3か月では、期初に実施した値上げを上回る原材料価格の上昇と、製品の安定供給のためのコスト増により減益となりましたが、デジタル化の推進などによる販管費削減努力により、減益幅を抑えることができました。9か月累計では、欧米地域の売上伸長と国内の構造改革の進展、期初からの販管費の削減努力により、前年同期比で165億円増加して618億円となりました。売上総利益率は1.0pt良化して34.8%に、事業利益率は1.4pt増加して5.7%に改善しました。販管費は売上増加に伴い9か月累計では前年同期比で69億円増加しましたが、販管費率は0.4pt改善しました。

    ・非継続事業を含む親会社の所有者に帰属する最終四半期利益
    第3四半期の最終四半期利益は、基幹事業への集中により業績の変動要因を低減したことで、安定して進捗し、前年同期比28億円増の415億円となりました。

    通期計画に対する進捗率は、事業利益は77%、最終利益は88%に達しています。

    ・事業・地域別の業績
    LWTの日本事業では、堅調な中高級品価格帯の商品とリフォーム需要に支えられ、売上は前年同期比で4%増加しました。衛生への関心の高まりにより、タッチレス水栓やタッチレス水栓を搭載したキッチンや洗面化粧台の売上が引き続き好調でした。事業利益率は、リフォーム向けと中高級品価格帯の商品の売上構成比が向上したことに加え、資材等の価格高騰に対し、価格を適正化し販管費を削減したことで、1.3pt 改善して8.6%となりました。国内のリフォーム向け売上構成比は2.5pt上昇し、47%となりました。

    住宅建材事業を展開するLIXIL Housing Technology(LHT)の日本事業の売上は、ニューノーマルへの対応と在宅時間が増えたことを背景としたリフォーム需要の増加により、前年の子会社の売却影響を除くと、売上は2%増加しました。リフォーム商材においては、TOSTEMブランドのドア「リシェント」の売上が前年同期比で16%増、樹脂内窓「インプラス」は22%増、「スマート宅配ポスト」は52%増となりました。事業利益率は、従来からの体質強化施策と販管費削減により、1.1pt改善して8.2%となりました。国内のリフォーム向け売上構成比は1.7pt増加し、35%となりました。

    LWTの海外事業の売上収益は、好調な欧米地域が牽引して前年同期比で21%増となりました。事業利益率は欧米市場での好調な売上に加え、販売価格の適正化と販管費等のコストの効率化により、2.4pt増加し、11.2%となりました。アメリカ地域では、全販売チャネルで好調でしたが、特に卸向けが堅調で、上期に続いて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大前の水準を上回って伸長し、前年同期比で15%増となりました。欧州・中東・アフリカ地域の売上も、好調な需要とDIY需要に応えた「GROHE QuickFix」シリーズの発売により、COVID-19感染拡大前の水準を上回って、全商品カテゴリーと販売チャネルで伸長し、前年同期比19%増でした。中国では、前年同期比2%増となり、小売とeコマースチャネルにおけるGROHE商品の売上が好調でした。中国では、引き続きビジネス構造の改革を推進しています。アジア太平洋地域はベトナムやタイなどの一部地域でCOVID-19の感染症拡大の影響を受けましたが、インドとインドネシアを中心とした経済活動の回復が進展し、19%の増収となりました。

     

    ◆第3四半期 事業・ESGハイライト
    LIXILは、長期にわたる持続的成長の実現に向けて、経営の基本的方向性で定めた優先課題とESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを加速しています。こうした取り組みは、収益性と財務体質の改善に貢献するとともに、ステークホルダーに対して生み出す価値の向上につながっています。

    ・差別化された商品の拡充により、日本事業の収益性を改善
    LHTの日本事業は、新築・既存住宅の開口部の高性能化を実現することで、住宅の脱炭素化を推進するとともに、差別化された商品を提供することで、国内事業の持続的成長を追求しています。1月にはトリプルガラス仕様の高性能ハイブリッド窓 「TW」を発表、2月から順次国内での販売を開始します。窓や玄関ドアなどの開口部からの熱の流出が約6割を占める中、トリプルガラスは単板ガラスと比較して、熱流出を約80%抑えることができます。一方、リフォーム商材においては、1日でトリプルガラスの高性能ハイブリッド窓に取り換えが可能な「リプラス 高断熱汎用枠」と、優れた断熱性能を誇る玄関ドア「リシェント玄関ドア3 高断熱仕様 ハイグレードモデル」を1月より全国で展開しています。「TW」の展開により、今期中にすべての窓シリーズを高性能窓に刷新するという目標は達成しましたが、引き続き、2050年のカーボンニュートラルの達成に貢献する取り組みを推進していきます。

    ・水まわり事業の海外成長の加速
    欧州・中東・北アフリカ(EMENA)市場においては、各顧客セグメントのニーズに対応し、差別化された価値を提供する製品とサービスを開発・提供することで、さらなる成長を目指しています。高まる海外のDIY(Do-It-Yourself)需要に応えるため、GROHEブランドでは、「GROHE QuickFix」シリーズを立ち上げました。GROHEブランドではプロ・ユーザー向けの製品やサービスと並行して、簡単なリフォームや交換を自分で行いたいというDIY志向の消費者向けに「GROHE QuickFix」を発売しました。この新シリーズでは、製品とともに、取り付け用の工具、写真つきのわかりやすい取り付け説明書、QRコードで読み取れる説明ビデオを提供することで、エンドユーザーが簡単に取り付け、保守できるように、工夫を凝らしています。また、GROHEブランドはサステナビリティをブランドが提供する価値の一つと位置付けており、「GROHE QuickFix」においても、流量を抑制しつつも、空気を含ませることで快適性を保つ、独自の節水技術を採用しています。

    ・グローバルな衛生課題の解決
    LIXILは、国際連合児童基金(ユニセフ)とグローバル・パートナーシップ「MAKE A SPLASH!」を締結し、衛生環境の改善に取り組んできましたが、この活動地域を新たに世界で特に人口の多いインド、インドネシア、ナイジェリアの3カ国にも拡大しました。2018年に締結されたこのパートナーシップは、3年間における活動を通じて、エチオピア、ケニアおよびタンザニアのコミュニティにおいて、290万人の衛生環境の改善に貢献してきました。このパートナーシップは、衛生製品やサービスの入手可能性、価格、品質を向上させることで、持続可能な衛生市場を構築することを目的としています。LIXILとユニセフそれぞれの強みを生かして、2030年までに達成すべき持続可能な開発目標 (SDGs)の目標 6「すべての人びとの、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす」の実現を目指しています。

    ・水の保全と気候変動の緩和に向けた取り組み
    LIXILでは、2050年までにCO2の排出量実質ゼロの達成を目指すとともに、循環型の暮らしに貢献する取り組みを様々なステークホルダーと協働しながら全社で推進しています。この取り組みが認められ、環境情報開示プラットフォームを運営する国際的な非営利団体CDPによる水資源管理に関する調査「CDPウォーターセキュリティ2021」において、最高評価となる「Aリスト企業」に選定されました。これは、事業活動や製品・サービスを通じた水の保全やグローバルな衛生課題の解決に関する、当社の活動が評価されたことによるものです。一方、既存住宅の省エネリフォームを推進するために、家一棟まるごとの断熱改修を実現する「スーパーウォール工法リフォーム」に連動させた、需要喚起から施工まで地域ビルダーをサポートする先進的なビジネスモデルが評価され、2021年度省エネ大賞 「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。さらに、LHT の生産拠点としては最大規模であるトステムタイにおいて、タイ国工業省が主催する Green Industry Projectの 最上位Level 5に認定されました。本制度では、自社とそのすべてのサプライチェーンにおいて継続的な環境配慮活動を行い、持続可能な工業発展に貢献した企業を認定しています。

    ※適時開示資料はこちらから、新商品のリリース情報はこちらからご覧ください。

     

    About LIXIL
    LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約55,000人の従業員を擁し、世界150カ国以上で事業を展開するLIXILは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えています。
    株式会社LIXIL(証券コード: 5938)は、2021年3月期に1兆3,783億円の連結売上高を計上しています。
    LIXILグローバルサイト:https://www.lixil.com/jp/
    LIXIL Facebook(グローバル向け):https://ja-jp.facebook.com/lixilglobal/
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