水リスクに対応する多面的な取り組みにより、最高評価を獲得
株式会社LIXIL(以下 LIXIL)は、環境情報開示プラットフォームを運営する国際的な非営利団体CDP※1による水資源管理に関する調査「CDPウォーターセキュリティ2021」において、最高評価となる「Aリスト企業」に選定されました。事業活動や製品・サービスによる水の保全やグローバルな衛生課題の解決に関する、当社の様々な活動が評価されました。
ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する情報開示の重要性が高まる中で、CDPは多数の機関投資家と協働して、世界の主要な企業を対象に気候変動や水資源、森林保全に関する事業リスクや事業機会などの情報を収集・分析し、その結果を毎年公表しています。今年、LIXILはCDPウォーターセキュリティAリスト企業として世界118社、日本企業では39社のうちの一社として選定されました。
LIXILでは、2050年を見据えた環境ビジョンを策定し、「Zero Carbon and Circular Living(CO₂ゼロと循環型の暮らし)」を目標に掲げ、水の持続可能性を追求し、豊かで快適な住生活と地球環境の未来に向けたさまざまな活動をグローバルに展開していますが、こうした継続的な取り組みが評価されました。環境ビジョンのもと、気候変動の緩和と適応においても積極的な活動を推進しており、気候変動の分野ではA-評価を獲得しました。
LIXILの社長 兼 CEOの瀬戸欣哉は次のようにコメントしています。
「LIXILでは、水資源の管理や保全、環境リスクの低減に向けて、継続的に取り組んできましたが、この度、CDPより高く評価されたこと光栄に思います。グローバルな水まわりと住宅建材のメーカーである当社にとって、気候変動による影響を緩和し、水の保全に努めることは、持続的な成長を続けるために不可欠だと考えています。LIXILでは、原材料の調達から製造、製品の使用、廃棄に至るまで、サプライチェーン全体で循環型の取り組みを推進しています。生産拠点では、それぞれの環境目標に向けて活動を推進する一方、本社の環境部門および各事業部門は、経営陣や事業部との連携をさらに強化することで、全社的な環境戦略とロードマップの策定に取り組んでいます。」
CDPウォーターセキュリティAリストに選定された企業一覧はこちらをご参照ください。
LIXILでは、コーポレート・レスポンシビリティ(CR)戦略に基づき、「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」の3つの分野に焦点をあて、事業活動を通じた社会課題への解決に取り組んでいます。
定期的な環境評価と事業や製品を通じた取り組み
LIXILの全生産拠点では、水リスク調査を継続的に実施し、それぞれの目標や計画に反映しています。リスクが高いと判断された拠点では、水循環システムの構築や排水管理システムの導入など、リスクを軽減するための対策を講じています。メキシコのトラスカラ工場では、製品洗浄などで使われる工場排水を処理し、再利用する水循環システムを導入しています。漏水検査で発生する排水も、逆浸透膜(RO)※2で処理し、年間34,000㎥(見込み)を製造工程で再利用しています。
トラスカラ工場の排水処理設備(メキシコ)
INAXの「エコアクアシャワーSPA」
GROHEのEcoJoy技術を搭載したEurosmartキッチン水栓
LIXILの先進的な水まわり製品は、グローバルな消費者の節水のニーズに対応しています。INAXブランドが2021年10月に発売した「エコアクアシャワーSPA」は、空気を含むことでボリュームのある浴び心地と節水を両立し、ユーザーエクスペリエンスを向上させています。GROHEブランドのEcoJoyは、快適性を損なうことなく、バスルームやキッチンでの節水を可能とする技術です。流量を制限することで、水の使用量を毎分10リットルから最小5リットルまで大幅に抑制し、水栓で空気を含むことでボリュームのある水を継続的に噴射することができます。
さらに、LIXILでは「2025年までに1億人の衛生課題の解決」するという目標を掲げて、トイレなどのデザインや技術を活かした活動を展開しています。「グローバルな衛生課題の解決」における取り組みの中核となるSATOブランドでは、開発途上国向け簡易式トイレシステム「SATO」をはじめとする、シンプルで革新的かつ手頃な価格のソリューションの提供を通じて、生産・販売体制の構築、雇用促進、インフラ整備や衛生意識の改革などを行い、劣悪な衛生環境が引き起こす社会課題、河川汚染の改善に貢献しています。
また、LIXILは、コーポレート・レスポンシビリティやサステナビリティの分野においてDow Jones Sustainability World Index、FTSE4Good Index Series、FTSE Blossom Japan Index、MSCI 日本株女性活躍指数、S&P/JPX Carbon Efficient Indexといった国際的な指標にも選定されています。社外評価についてはこちらよりご覧ください。
※1:CDPは運用資産総額110兆ドル以上を有する590を超える機関投資家、200社の購買組織を代表して、企業へ気候変動や水保全の取り組みに関する質問書を配布し、回答データを投資家へ開示する非営利団体です。
HP:https://www.cdp.net/
※2: ろ過膜の一種であり、水は通すが、イオンや塩類など水以外の不純物は透過しない性質を持つ膜
LIXILのサステナビリティに関する取り組みの詳細はウェブサイトをご覧ください。
https://www.lixil.com/jp/sustainability/