株式会社LIXIL(以下LIXIL)は、環境ビジョン「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、2050年までに事業プロセスと製品・サービスによるCO2排出量を実質ゼロにすることを目指した取り組みを強化していますが、この度、CO2排出量削減に関する中間目標を更新しましたので、お知らせいたします。
LIXILでは、従来から全社におけるエネルギー使用量の削減を進め、事業で使用する電力の再生可能エネルギー化を推進してきましたが、これまでの進捗をふまえた上で、CO2排出量削減に向けた中間目標を刷新し、2030年度までにスコープ1およびスコープ2※1におけるCO2排出量を2019年3月期比50%削減、スコープ3※2を30%削減とさらに高い目標を設定しました。これは、国際的な気候変動イニシアチブであるScience Based Targets initiative(SBTi)が、産業革命以前からの世界の気温上昇を1.5℃に抑えることを目指す「1.5℃水準」に合致したものであり、当社ではSBT認証を更新する予定です。※3
Technology Innovation本部を統括し、環境戦略委員会委員長を務める迎宇宙は、次のようにコメントしています。「この度、LIXILでは温室効果ガス排出量削減に向けた中間目標を刷新しました。『世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現』という当社の存在意義を追求することは、持続可能な住まいと暮らしを支えるということでもあります。私たちは、世界各地で生産工程における再生可能エネルギーの利用を促進し、エンドユーザーのエネルギー使用を低減する先進的な製品の開発に加え、社会全体のCO2削減につながるリサイクル素材の活用を通じた循環型社会への転換を推進することで、環境ビジョン2050の達成に向けて着実に前進しています。」
当社では、新たに設定した中間目標の達成に向けて、グローバルに展開する全事業において、エネルギー消費量の削減を年々加速させる取り組みを強化していきます。具体的には、空調の効率向上から、エネルギー消費量の多いプロセスの効率化、化石燃料や電力の使用量削減といった取り組みを推進していきます。また、LIXILの水栓金具を生産する海外工場をはじめ、各地域の拠点における再生可能エネルギーへの切り替えや、工場内に設置された太陽光発電システムの拡張など、再生可能エネルギーの利用拡大を通じて、CO2排出量削減につなげていきます。さらに、サプライヤーと協働し、より低炭素な原材料や部材の使用を進めることで、CO2排出量の削減につなげていきます。
LIXILでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、気候変動問題がLIXILに及ぼすリスクと機会の特定・評価を行い、この度、情報開示フレームワーク(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った情報開示を行ないました。気候変動がLIXILの事業に与える実際の影響と潜在的な影響をいかに評価し、当社が重要なリスクであると判断した場合には、そのリスクをどのように管理するかを示しています。
脱炭素化に向けた取り組みは、TCFDの開示項目にも含まれていますが、こうした動きに伴い、例えばエネルギー効率の高い高性能住宅への転換が急速に進み、新たなビジネスチャンスにつながる可能性があります。こうした点から、上記対応に加えて、国内事業においては、戸建て住宅向け高性能窓をはじめ、節湯水栓・節水型トイレの販売構成比を高めることを、気候関連の機会を評価する指標として設定しています。この目標の達成に向けて、住宅やビルのエネルギーや水の使用量を削減する環境配慮型商品のラインアップを拡充し、将来の事業成長へとつなげてまいります。
詳細は、TCFDの提言に基づく開示資料をご覧ください。
※1 スコープ1、 2:自社で使用した燃料、電気に伴う温室効果ガス排出
※2 スコープ3:調達や製品の使用など、サプライチェーン上での温室効果ガス排出。2030年度目標においては、製品の使用においては給湯エネルギーなど間接的に消費するエネルギーによる排出量を除く
※3 スコープ3の目標は、SBTのwell-below 2℃水準