LIXIL 2023年3月期第1四半期決算(IFRS)
前年同期比で増収減益、利益は回復傾向
■為替影響、国内リフォーム売上の伸長、アジア太平洋地域の経済活動回復の進展により増収
■欧米での物流逼迫の影響、原材料・物流費の高騰で減益も、対応策により利益率は回復基調
株式会社 LIXIL(以下 LIXIL)は本日、2023年3月期第1四半期の決算を発表しました。
LIXIL 社長 兼CEO 瀬戸欣哉のコメント
「第1四半期は、サプライチェーンの寸断や中国でのロックダウンの影響を受けたものの、為替の影響や国内におけるリフォーム売上の伸長等により、前年同期比で増収となりました。インフレと円安による原材料・物流費のコスト増を反映した価格改定を推進してきましたが、第1四半期における効果は限定的で、欧米での物流の逼迫等による製品供給への影響もあり、前年同期比で減益となりました。価格改定、サプライチェーンの強靭化、営業政策の転換や固定費の削減など、かねてより推進してきた様々な施策の成果と、直近では下落傾向にある原材料価格の効果は第3四半期以降に本格化する見込みです。厳しい事業環境が続く中、LIXILでは経営の基本的方向性である「LIXIL Playbook」の優先課題に沿って組織と事業の変革に注力してきたことで、より強靭で機動的な企業へと転換しつつあり、財務体質も改善しています。日本においては、順調にリフォーム関連の売上を拡大していますが、脱炭素化に一層貢献するため、住宅の高性能化を実現するリフォーム普及に向けた取り組みを強化していきます。今後も、事業活動と製品・サービスを通じて、社会・環境課題の解決に貢献するとともに、『世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現』という当社の存在意義と持続的成長の実現に向けて、取り組みを推進してまいります。」
◆決算の概要
・売上収益
2023 年3月期第1四半期の連結売上収益は、為替の影響と国内のリフォーム関連の売上の拡大、アジア太平洋地域(APAC)における経済活動の回復の進展により、前年同期比4%増の3,603億円となりました。国内事業の売上は、前年同期並みの2,355億円でした。リフォーム売上構成比は、0.7pt上昇して、41%になりました。海外事業の売上は、前年同期比で11%増の1,284億円で、為替の影響を除いては1.4%上昇しました。
・事業利益
原材料・資材コストや物流費の増加とサプライチェーン寸断への対応によるコスト増が利益を押し下げる要因となり、第1四半期の事業利益は前年同期比で161億円減の70億円となりました。事業利益率は、4.7pt悪化し、1.9%となりました。しかしながら、様々な対応策が段階的に効果を発揮したことで、4月以降、事業利益率は徐々に回復しています。
・非継続事業を含む親会社の所有者に帰属する最終四半期利益
第1四半期の最終四半期利益は、主に事業利益の減少により、前年同期⽐111億円減の57億円でした。
・事業・地域別の業績
水まわり事業を手がけるLIXIL Water Technology(LWT)の日本事業は、前期下期に生じた一部機器の調達難の影響が概ね解消したことでリフォーム関連の売上が回復、売上収益は、前年と同水準の売上を維持して992億円となりました。価格改定効果と好調な中高級品価格帯の商品の売上比率が上昇した一方で、商品供給の安定のためのコスト上昇もあり、事業利益は73億円、事業利益率は7.4%と前年に比べ微減しました。
LWTの海外事業の売上は、物流の逼迫や中国でのロックダウンなどの外的影響を受けましたが、APACの売上増に支えられ、現地通貨ベースでは前年と概ね同水準でしたが、円貨ベースでは、前年同期比で9.3%増の1,218億円となりました。しかしながら、事業利益は、上昇してきたコスト増等を反映して、前年同期比63%減の59億円となりました。事業利益率も4.8%と前年同期比では9.4pt悪化しましたが、コスト増を反映した価格改定が開始されたことにより、4月以降、毎月回復しています。価格改定の本格的な効果は本年10月以降になり、また、最近下降を始めた原材料費や燃料費の好影響は来年から効果を現すことになりますが、既にその兆候は、利益率の改善の形で現れています。
需要はアメリカでの住宅景気の後退やロシアのウクライナ侵攻などの不安材料から、市場全体としては弱含みに推移しましたが、当社の受注は堅調に推移しています。ただし、物流の逼迫を主因として、受注した商品の配送が十分できなかったことで、アメリカ地域及び欧州・中東・アフリカ地域は、ともに現地通貨ベースで3%の減収となりました。中国では、4~5月におけるロックダウンの影響により、現地通貨ベースで11%の減収となりました。APACでは、インド、ベトナム、タイが牽引し、経済活動の回復進展により現地通貨ベースで25%の増収となりました。
住宅建材事業等を展開するLIXIL Housing Technology(LHT)は、成長と利益率向上を加速し、事業間の連携を強化するため、ハウジングテクノロジー事業(LHT)、ビルディングテクノロジー事業(LBT)及び住宅・サービス事業等(H&S)を統合しました。これに伴い、LHTの業績は、LHT、LBT、H&Sの実績を含むものとなります。新報告セグメントに基づいた第1四半期のLHTの売上は、住宅性能・快適性の向上を目的としたリフォーム需要の増加により、前年同期比2.6%増の1,430億円となりました。一方で、事業利益率は、原材料価格の上昇に加えて、海外工場からの部品・製品輸入も円安のコスト影響を受けるなど、円安への変化が大きく影響し、5.1pt減の2.2%となりました。価格改定は6月から開始していますが、本格的な改定は10月となるため、コスト上昇の反映には間に合いませんでした。一方で、体質強化施策及び価格改定により、前四半期からは改善しました。結果として、LBTとH&Sを除いた、従来のセグメント区分におけるハウジングテクノロジー事業の売上収益は1,167億円、事業利益は35億円、事業利益率は3%となりました。
※適時開示資料はこちらから、新商品のリリース情報はこちらからご覧ください。
本日、適時開示「報告セグメントの変更に関するお知らせ」を発表しました。