ヘラルボニーとのコラボレーションにより、
商品を販売することで得られた利益の一部をアーティストに還元するソーシャルビジネスを実現
株式会社LIXIL(以下LIXIL)は、室内の快適な空気環境づくりをサポートするエコカラットシリーズのエコカラットプラス デザインパネルキットとエコカラット セルフに、株式会社ヘラルボニー(以下ヘラルボニー)が契約するアーティストが描いたアール・ブリュット(障害のあるアーティストによって描かれた作品)デザインを投入し、2022年10月3日より発売します。
URL:https://www.ecocarat.jp/artbrut.html
LIXILでは、コーポレート・レスポンシビリティ(CR)戦略において、「多様性の尊重」を優先取り組み分野の1つとしており、多様な従業員の英知や視点を活かし、成長とイノベーションの原動力とする製品やサービスなどを通じて、年齢、性別、障害の有無などを問わず、すべての人びとの生活の質の向上に貢献しています。
日本には障害のある人が964万人、そのうち知的障害のある人は109万人います。障害者雇用率制度の普及で、障害者雇用は令和3年59万7786人(対前年比3.4%増)と過去最高となったものの、まだ働く先としては限られているのが現状です(内閣府HP、厚生労働省HPより)。また、SDGs(持続可能な開発目標)では、目標8「働きがいも経済成長も」のうち、ターゲット8.5では「2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する」が掲げられています。
一方アートの世界には、フランス語のart brut(生の芸術)を語源とする“アール・ブリュット”というジャンルがあります。専門的な美術教育を受けていない人が沸き上がる衝動に従って制作するアートで、知的障害のある作家も少なくありません。
本商品は、“アール・ブリュット”をエコカラットプラス デザインパネルキットとエコカラット セルフに施します。本商品では、知的障害のあるアーティストとライセンス契約を結び、彼らが描くアート作品をさまざまな事業に展開し、福祉を起点に新たな文化の創造を目指すヘラルボニーとコラボレーションします。本プロジェクトでLIXILはヘラルボニーを通じて、得られた利益の一部をアーティストに還元することで、新しい収益を生み出し、誰もが一緒に歩める社会を目指します。
LIXILはこれからも、この取り組みにより「障害」というイメージの変容を社会に浸透させることで、新たな豊かさ・快適さを創出することに繋がると考え、素材が生み出す快適さだけではなく、多様性が生み出す心の豊かさにより、より良い住まいづくりの可能性を探求していきます。
*エコカラットのアール・ブリュットにおける「障害」の表記について:
本商品においては、「障害」という言葉については多様な価値観があり、それぞれの考え方を否定する意図はないことを前提に、社会側に障壁があるというヘラルボニーの考え方に賛同し、「障害」という表記で統一しています。
<参考資料>
■エコカラットシリーズ
エコカラットシリーズは、優れた調湿機能に加え、気になるニオイやホルムアルデヒドなどの有害物質を低減し、快適な空気環境をつくる優れた機能と、上質なインテリアを演出するデザイン性の高さで、お客さまから好評をいただいおり、顧客満足度は87.5%にのぼっています(弊社調べ)。
タイルは、素材・釉薬の塗り方・焼き方などで、どれ一つとして全く同じものはできない、まさに多様性のある製品です。そのタイル事業の中で培われてきた、精細な色や柄の表現が可能な加飾技術である高精細加飾を活用して、エコカラットでは様々なデザインを施すことができるようになっています。
豊富なバリエーションから、お部屋に合わせて自由にコーディネートできる「エコカラットプラス」に加え、小スペースでも映えるコンパクトなサイズと個性的なグラフィックが特徴の「エコカラットプラス デザインパネルキット」、背面にマグネットがついており、自分で簡単に取り付け・交換できるDIY商品「エコカラット セルフ」など、さまざまな商品を展開しています。
■ヘラルボニー
ヘラルボニーは「異彩を、 放て。」をミッションに掲げる、福祉実験ユニットです。
日本全国の主に知的な障害のある福祉施設、作家と契約を結び、2,000点を超える高解像度アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスをはじめ、作品をファッションやインテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営や、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開しています。これらの社会実装を通じて「障害」のイメージ変容と、福祉を起点とした新たな文化の創造を目指します。社名である「ヘラルボニー」は、知的障害のある両代表の兄・松⽥翔太が7歳の頃⾃由帳に記した謎の⾔葉です。「⼀⾒意味がないと思われるものを世の中に新しい価値として創出したい」という意味を込めています。
■アール・ブリュットデザインのエコカラット
障害のあるアーティストによって描かれた作品6品を、エコカラットプラス デザインパネルキットおよびエコカラット セルフにデジタルプリント技術を活用して表現します。
ヘラルボニーと共創し、商品を販売することで得られた利益の一部は、作品の使用料として起用されたアーティストに還元されます。
・柄 6柄×2形状
・エコカラットプラス デザインパネルキット 商品仕様
■アーティストおよびその作品