第3四半期3か月間で収益性改善が進展
■第3四半期累計実績では厳しい外部環境の影響を受け減益なるも、直前四半期比で改善傾向
■価格適正化等の戦略的取り組みにより、第4四半期も引き続き収益性改善を見込む
株式会社 LIXIL(以下 LIXIL)は本日、2023年3月期第3四半期の決算を発表しました。
LIXIL 社長 兼CEO 瀬戸欣哉のコメント
「2023年3月期第3四半期は、円安や資材・部品価格の高騰の影響や、欧州におけるサプライチェーンの制約により、厳しい事業環境に直面しました。第3四半期累計実績では前年同期比で減益となったものの、直近3か月では期初から実施している国内における価格適正化などの戦略的取り組みが奏功し、当初計画に沿って収益性を改善することができました。海外での需要減退懸念があるものの、価格適正化の推進により、第4四半期も収益性改善につなげていきます。
また、当社では、差別化された商品の提供拡大、原材料面における先進的な新素材の採用、機動的なサプライチェーンの構築、米国や中国など主要な海外市場におけるビジネスモデルの最適化など、さまざまな対策を推進することで外部環境の変化に対する基幹事業の耐性強化を図っています。このような取り組みを通じて、事業基盤をさらに強化し、『世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現』に向けて、持続的な成長につなげてまいります」
◆決算の概要
・売上収益
第3四半期(9か月累計)の連結売上収益は、前年同期比5%増の1兆1,238億円となりました。国内事業の売上は、第3四半期の直近3か月間、9か月累計ともに前年同期比1%増となりました。海外事業の売上は、直近3か月では9%増、9か月累計では11%増となったものの、為替の影響を除くとそれぞれ2.9%減、0.7%減となりました。
・事業利益
事業利益(9か月累計)は、円安や資材・部品価格の⾼騰など外部環境の影響を受け、前年同期⽐408億円減となる210億円となりました。直近3か月では、国内における価格適正化など戦略的な取り組みが寄与し、収益性が改善しました。事業利益率は、9か月累計では前年同期⽐3.9pt悪化しましたが、直近3か月では直前四半期⽐4.0ptの改善となりました。
・非継続事業を含む親会社の所有者に帰属する最終四半期利益
最終四半期利益は、事業利益の減少を主因として、前年同期⽐305億円減の110億円でした。
・事業・地域別の業績
水まわり事業を手がけるLIXIL Water Technology(LWT)の日本事業の売上(9か月累計)は、価格改定効果や、リフォーム向け製品の好調な売上により、前年同期比1%増の3,155億円となりました。住宅性能・快適性の向上を⽬的としたリフォーム需要は引き続き堅調で、LWTの国内事業のリフォーム商材売上構成⽐は、前年同期比1.6pt上昇し、49%となりました。事業利益は、資材価格上昇の影響により、前年同期比16.9%減の224億円でした。
LWTの海外事業の売上(9か月累計)は、円貨ベースでは前年同期比9.8%増でしたが、円安の影響により、為替影響を除く現地通貨ベースでは、米国、中国、欧州の一部地域における需要の軟化を受け、3%の減収となりました。事業利益は、販売数量の減少、物流費・エネルギー価格を含むコスト上昇により、63.7%減の137億円でした。
アメリカ地域の売上は、経済減速による需要軟化、顧客の在庫調整の影響により、現地通貨ベースで7%減となりました。同地域では、引き続きリフォームおよび直売⽐率の向上に注⼒し、収益性改善を図っています。欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)の売上は、中東地域で販売が拡大するも、欧州の一部地域における需要軟化を受け、前年並みで推移しました。サプライチェーンの制約は引き続き残るものの、年度末までに解消することを見込んでいます。中国では、ゼロコロナ政策による経済活動の減速により、前年同期比16%減となった一方、アジア太平洋地域はベトナム、タイ、インドが売上成長をけん引し、17%の増収でした。
住宅建材事業等を展開するLIXIL Housing Technology(LHT)の売上(9か月累計)は、好調な海外事業と国内リフォーム需要の増加により、2.9%増の4,543億円となりました。LHTの国内のリフォーム商材売上構成⽐は、前年同期比1.1pt上昇し、35%となりました。LHTの事業利益は、円安と資材価格上昇によるコスト増を受け、前年同期比49.3%減となる155億円でした。しかしながら、直近3か月間では、事業利益が第2四半期の29億円から95億円へと拡大し、直前四半期比で収益性が改善しました。これは、価格改定とリフォーム向け高性能サッシ販売の好調が寄与したものです。
※適時開示資料はこちらから、新商品のリリース情報はこちらからご覧ください。