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    INAXライブミュージアム企画展 Rooted in Clay ―人も家も土から生まれた―

    INAXライブミュージアム企画展 Rooted in Clay ―人も家も土から生まれた― サムネイル画像

    【会期】 2023年4月29日(土)~9月19日(火)
    【会場】 INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」 企画展示室

    株式会社LIXIL(以下LIXIL)が運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)は、2023年4月29日(土)から9月19日(火)まで、国内外の3人のアーティストによる土の造形作品を展示する企画展「Rooted in Clay―人も家も土から生まれた―」を開催します。

    建築に土を用いる、アメリカ先住民・プエブロとメキシコをそれぞれルーツに持つアセーナとビル・スティーン夫妻。メキシコ国境に近い北米アリゾナ州で、30年以上前から土やストローベイル(藁ブロック)など自然素材を用いた家造りを広めるワークショップを開催し、技術の交流や習得に世界各地から人々が集っています。環境負荷の少ない素材や技法について自らも積極的に学び、ノウハウを採り入れてきた彼らが特に興味を持ち影響を受けたのが、洗練された表情をつくりだす日本の左官技術です。
    自然素材をベースにしながら、新しい発想や創造力を用いて腕を振るう飛騨高山(岐阜県)の左官職人・挾土秀平(はさど しゅうへい)は、2004年から3度スティーン夫妻を訪問し、実践を通して日本の伝統技法やものづくりの精神を伝え、関係を深めてきました。
    本展では、異なる土の建築文化をルーツに持つアセーナ、ビル、挾土の3人を招聘し、プエブロ、メキシコ、日本をテーマにした土の造形作品を公開制作していただきます。

    表情豊かな土の作品から、風土が育んだ思想や精神性を感じてみてください。

    ■開催概要
    企画展 
    Rooted in Clay ―人も家も土から生まれた―
    【会期】2023年4月29日(土)~9月19日(火)
    【会場】INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
    〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130   TEL:0569‐34‐8282 FAX:0569‐34‐8283
    【開館時間】10:00~17:00(入館は16:30まで)
    【休館日】水曜日(祝日の場合は開館)
    【観覧料】共通入館料にて観覧可 (一般:700円、高・大学生:500円、小・中学生:250円)
    【主催】INAXライブミュージアム 【企 画】INAXライブミュージアム企画委員会
    【企画協力】多田君枝(一般社団法人 日本左官会議事務局長)、職人社 秀平組有限会社
    【展示デザイン】宇野勇治・宇野美紀(株式会社宇野総合計画事務所)
    【ツール&会場グラフィック】齋藤知恵子
    【URL】https://livingculture.lixil.com/ilm/see/exhibit/rootedinclay/


    ■本展のポイント
    ・招聘作家3人のルーツをデザインした作品を公開で制作
    3人のルーツである、プエブロ、メキシコ、日本をテーマにアセーナ・スティーンがデザインした3作品の土による多様な表面仕上げを、展覧会初日の4月29日から5月7日(6日は除く)までの8日間、来館者に見学いただきながら協働で作業します。また、日々の制作の様子を映像で記録し、会場内でご覧いただけるようにします。

    ・壁面作品はワークショップ参加者の手を加えて仕上げる
    アセーナのルーツ、プエブロのデザインによる壁面作品の一部を、土の絵具を用いてワークショップ形式で仕上げます(5月6日)。

    ■本展の構成
    20230323add2・プエブロ、メキシコ、日本をテーマにした土の造形作品
    *プエブロ(親方:アセーナ) 《Mountain Bird/マウンテン・バード》
    アメリカ先住民・プエブロの陶器に見られる、山や羽のデザインが刻まれたこの作品は、私たちが生まれてきた大地を思い起こさせ、「息を吹き込んだ」精神世界につながる場として、儀式用の集会場「キヴァ」に似せた中心地に集うよう、私たちを招き寄せます。
    *注)「キヴァ」:プエブロの心臓部に設置された、精神的・共同体的な儀式用の集会場。何層にも重なった山のような部屋に取り囲まれ、円形をしている。

     

     

    *メキシコ(親方:ビル) 《Tierra nido - Earth Nest/ティエラ・ニード-土の巣》
    20230323add3アメリカ南西部やメキシコ北部に点在する穀物倉は、トウモロコシや豆、種子など重要な食糧を収め守るため、繊維を土で接着してつくられました。
    メキシコ・チワワにある穀物倉を思わせるこの小さな土の器には、茅葺き屋根のように土の層が彫られています。私たちの希望や夢がいつか芽吹くそのときまで、この巣のような空間が安らぎの場になってくれるかもしれません。


    ほか、日本(親方:挾土) 《Bamboo Sky/バンブー・スカイ》

     

     

    ・ワークショップで制作する壁面作品
    《Earth-Paint River-Wall/土でペイントされた川の壁》
    20230323_ILMexhibit_RootedinClay04プエブロの陶器や織物、建物のデザインによく見られる階段状の山のデザインは、プエブロのコミュニティを囲む聖なる山を表現しています。4点が東西南北に対応する菱形は地球を表し、すべての方向が収束する場所が中心となります。背景の模様は、物理的、空間的な要素を組み合わせ、人と自然との相互関係を体現しています。二連の川が横断して流れる手前には、雨と雲を象徴する三角の束が、生命を育む水の本質的なパワーとエネルギーによって流れています。もう一本は、その下で守られた、まだ見ぬ創造的な精神の流れで、ここにワークショップ参加者が土絵具を用いて自由に色をつけていきます。


    ・スライドショー《Rooted in Clay/土に根ざして》 (2019年制作、放映時間:9分強)
    人も大地から生まれ出たとされる、アメリカ先住民・プエブロをルーツに持つアセーナ・スティーン。やきものや彫刻をつくる芸術一家に生まれた彼女の土との関わり、自然素材を用いた家造りの研究と教育を目的にビル・スティーンと設立した非営利組織の活動など、土に根ざした生き方をしている彼らの思想や精神性を、写真と語りで紹介しています。


    ■招聘作家プロフィール
    アセーナ&ビル・スティーン(Athena Steen & Bill Steen)
    20230323_ILMexhibit_RootedinClay01アセーナはアメリカ、ニューメキシコ州プエブロ・サンタクララ出身。ビルはアリゾナ州ツーソンの出身。1989年、「人々と文化と自然をつなげる」ことを目的にアリゾナ州高地に非営利法人「カネロ・プロジェクト」を設立。2007年、国立アメリカ・インディアン博物館の屋外展示「Always Becoming」を制作、2011年、デンバー・アート・ミュージアムの「驚異の泥」展に出展するなどアート作品も制作。共著に『THE STRAW BALE HOUSE』、『Built by Hand』(小松衛子、小松義夫との共著)などがある。
    https://caneloproject.com


    挾土秀平(Syuhei Hasado)
    20230323_ILMexhibit_RootedinClay08飛騨高山生まれ。1983年、技能五輪全国大会左官部門で優勝。セメントなど主に工業製品を使う野丁場の仕事に従事した後、2001年職人社秀平組設立。土や砂など自然素材を用いる左官を独学し、以降、商業施設、一般住宅、イベントなど、国内外で斬新な壁を発表。左官的思考をベースに、書、執筆、アートなど多分野で活躍し、メディアにも多く登場している。NHK大河ドラマ「真田丸」の題字作者としても知られる。平成25年度文化庁文化交流使。2015 ~ 22 年、一般社団法人日本左官会議議長。
    https://www.syuhei.jp

     

     

     

     

     

    ■関連イベント 
    〔2〕-〔4〕のお申込み方法や定員、参加費など詳細は、当館ウェブサイトの展覧会情報をご覧ください。  【URL】https://livingculture.lixil.com/ilm/see/exhibit/rootedinclay/

    〔1〕公開制作
    アセーナ&ビル・スティーン、挾土秀平が展示作品を協働で仕上げる様子をご覧いただきます。
    〔開催日〕4月29日(土)~5月7日(日) ※5月6日は除く
    〔会場〕「土・どろんこ館」企画展示室
    *開館中に開催、作業の進捗次第で制作していない時間帯があります。また、日によって制作者が異なります。
    *見学者多数の場合、会場への入室を制限する場合があります。

    〔2〕ワークショップ「アセーナのデザインを土の絵具で仕上げよう」
    アセーナのルーツ、プエブロのデザインによる会場壁面を、土の絵具で塗って仕上げていきます。
    ※刷毛や筆など道具を使って作業します
    〔日時〕5月6日(土)、各回1時間半程度 
         小・中学生対象/ 10:15 ~
         高校生以上対象/ 13:30 ~
    〔講師〕アセーナ&ビル・スティーン、挾土秀平
    〔定員〕各回10名  ※事前申込制の先着順
    〔参加費〕1000円(税込、保険料含む)※別途、共通入館券の提示が必要
    〔会場〕「土・どろんこ館」企画展示室

    〔3〕トークセッション「アセーナ&ビル・スティーン、挾土秀平がつくりだすもの」
    異なる土の文化を背景にしつつ、互いに共感し影響を与え合っているという3人の、土に対する思いや取り組みを写真と共に語っていただきます。  ※逐時通訳
    ゲスト:アセーナ&ビル・スティーン、挾土秀平
    聞き手:多田君枝 (一般社団法人 日本左官会議事務局長)
    〔日時〕5月6日(土)17:00~、1時間半程度
    〔定員〕40名 ※事前申込制の先着順
    〔聴講料〕700円(税込、展覧会関連冊子付き)※別途、共通入館券の提示が必要
    〔会場〕「土・どろんこ館」ホール
    終了後、ゲストを囲む〔4〕懇親会(有料、事前申込制の先着順)を開催します。


    ■関連冊子のご案内 
    20230323_ILMexhibit_RootedinClay02『Rooted in Clay―人も家も土から生まれた―』     
    2023年4月末発刊予定  定価550円(税込)p36 全頁カラー  

    自然素材を使った家造りを広めているアセーナ&ビル・スティーンと、左官の世界に新風を吹き込んできた挾土秀平。彼らの活動やインタビューを通して、建築に土を用いるアメリカ先住民・プエブロとメキシコ、飛騨高山、それぞれのルーツが育んだ思想や精神性、土との関わりを掘り起こします。

    《内容》  *INAXライブミュージアム内ショップおよびLIXIL公式オンラインショップで販売。
    ・アメリカ南西部、メキシコ北西部における土の建築工法の歴史  ・アセーナとビルの材料  ・日干し煉瓦のつくり方
    ・日本における左官小史  ・挾土秀平の材料  ・小舞土壁のつくり方  ・飛騨高山の風土と歴史
    ・アセーナ&ビル・スティーン インタビュー  ・挾土秀平 インタビュー  ・ALBUM of Cultural Exchange


    ■INAXライブミュージアム概要
    20230323_add7『INAXライブミュージアム』
    所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130
    TEL:0569-34-8282 
    休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
    共通入館料(税込):一般:700円、高・大学生:500円、小・中学生:250円
    ホームページ:https://livingculture.lixil.com/ilm/
    Facebook:https://www.facebook.com/LIXIL.culture
    Instagram:https://www.instagram.com/lixil_inaxmuseums/

    やきもの製品のテクノロジー拠点、愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。
    「窯のある広場・資料館」「世界のタイル博物館」「建築陶器のはじまり館」
    「土・どろんこ館」「陶楽工房」「やきもの工房」の6館から成る“体験・体感型ミュージアム”。
    土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。
    本展を開催する「土・どろんこ館」は土をふんだんに使った建物が特徴で、企画展示室は版築壁(はんちくかべ)や塗り壁で仕上げられています。
    土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。

     

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