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    未来の「豊かな暮らし」を探求する「FUTURE LIFE CREATIVE AWARD」 イノベーションの可能性を広げる多数の応募作品の中から受賞作品が決定

    未来の「豊かな暮らし」を探求する「FUTURE LIFE CREATIVE AWARD」 イノベーションの可能性を広げる多数の応募作品の中から受賞作品が決定 サムネイル画像

    最優秀賞作品の作者とLIXILが受賞アイデアを具現化する共創プログラムも実施

    株式会社LIXIL(以下LIXIL)は、誰も見たことのない世界を想像し、その世界での「豊かな暮らし」とは何かを社外のみなさまと探求していくことを目指す「未来共創計画」の一環として、未来の「豊かな暮らし」を探求するためのアイデアを公募する「FUTURE LIFE CREATIVE AWARD」を開催しました。クリエイティビティに富んだ多くの応募作品の中から、最優秀賞を含む、7作の受賞作品が決定しました。
    https://landing.lixil.com/futurelifecreativeaward

    「未来共創計画」では、アノン株式会社をパートナーに、SFを通じて思考を拡張させるSFプロトタイピングの手法を用いて、未来に向けたイノベーションの可能性を探求しています。そして今回初の試みとして、未来の「豊かな暮らし」を探求するためのアイデアを公募する、「FUTURE LIFE CREATIVE AWARD」を開催しました。『誰も見たことのない「豊かな暮らし」』のテーマのもと、数多くの大胆なアイデアのご応募をいただき、厳正な審査の結果、最優秀賞1作、LIXIL賞2作、アノン賞1作、入選3作の合計7作を決定いたしました。
    今後、LIXILは最優秀賞に選ばれた「ヴィタ・アルモニカ」の伊島糸雨(イトウシウ)様と共に、作品が描く未来の「豊かな暮らし」の世界観をさらに探求し、具現化する共創プログラムの実施を予定しております。共創プログラムでは、LIXIL社員とディスカッションを複数回行いながら模型(予定)を制作することで作品世界の具現化を目指します。完成した制作物は、特設ページ等での発表を予定しております。



    <参考資料>
    「FUTURE LIFE CREATIVE AWARD」とは
    未来共創計画の一環として、未来の「豊かな暮らし」を探求するためのアイデアを公募する、FUTURE LIFE CREATIVE AWARDを開催しました。
    厳正な審査の結果、最優秀賞1作、LIXIL賞2作、アノン賞1作、入選3作の合計7作を決定いたしました
    最優秀賞に選ばれた「ヴィタ・アルモニカ」の伊島糸雨(イトウシウ)様とは、今後LIXILとに入賞アイデアの世界をさらに探求し、具現化していく共創プログラムを実施予定です。
    ※素晴らしい作品が多かったため、「LIXIL賞」を一枠増設し、さらにSF作品としての完成度を評価する「アノン賞」を新設いたしました。


    ●特設ページ
    https://landing.lixil.com/futurelifecreativeaward


    ●受賞作品一覧
    【最優秀作品】「ヴィタ・アルモニカ」伊島糸雨(イトウシウ)
    作品概要
    研究者の明彷静(ミン・ファンジン)は、音を通じて生態系を調整するシステム〈音律性生命環境〉(ヴィタ・アルモニカ)を用いた都市開発を推進していたが、計画は頓挫、感染症の流行で都市自体も放棄される。7年後、見捨てられた都市で緑地が拡大していることを知った明彷静(ミン・ファンジン)は、その行く末を見届けるべく、観測員として帰郷を決意する。

    審査員評価コメント
    人類が去った後の都市と地球の関係が描かれていて、“都市の畳み方”を問う作品でした。使われなくなった建物は廃墟になるという固定観念を覆し、現代の日本で社会課題となっている空き家問題などに対する示唆も読み取れました。文芸作品としても完成度が高く、また、住まいや都市とのコミュニケーション方法としての“音”というインターフェースの選び方が美しいなど、共創プロジェクトでアイデアを深めていく余地に期待して、最優秀賞に選出いたしました。

     

    【LIXIL賞】「海月の降る空、泳ぐ空」貫ク藁矢(ツラヌクワラヤ)
    作品概要
    ユーザとその住環境を反映した仮想生命・LI*IL(リスタイル)を育成可能なオンラインゲーム「*」(プラネット)。筏型の海上都市で暮らす「雲」と、火星から地球へ向かう船に乗る「海月」(くらげ)は、「*」(プラネット)で互いにすれ違いながらも交流を重ねていく。

    審査員評価コメント
    バーチャルな世界とリアルな世界がつながって相互作用が生まれる関係性や、住居が離合集散して街を作っていく発想が魅力的でした。さらに、この街の仕組みがあることで、住宅を起点に家族のあり方も変わっていく可能性を想像させる作品でした。現代、近未来、遠未来の技術が整合性を保ちながら描かれている点も、SF作品として高評価につながりました。

     

    【LIXIL賞】「循環する都市」神殿真数(カミドノマサカズ)
    作品概要
    植物の特性を帯びた人工素材・樹性高分子(ウッドポリマー)の普及により、自然エネルギーをベースとした循環型の生活が実現した24世紀。人々は高さ1.7kmにおよぶ巨大な階層都市に暮らし、資源を共有し、家族ではなく世代を単位とした社会を築いていた。そんな中、新しい世代が生まれる換層期を目前に、シェーナは自分の社会における役割(ロール)を決めかねていた。

    審査員評価コメント
    五層のツリーハウスというコアアイデアを突き詰めたことで、強烈なビジュアルを想起させる力がありました。自然が持つ循環のサイクルを住まいや都市に当てはめた時に、社会やコミュニティがどのように変化するのか、誰も見たことがない未来の暮らしが描かれていました。このような技術を生み出してみたいという意欲を掻き立てられた点も評価につながりました。

     

    【アノン賞】「有機住宅は笑わない」笹田ケンゴ(ササダケンゴ)
    作品概要
    宇宙からやってきた生物・ハウススネイルに共生することが一般的な住まいの在り方となった世界。ハウススネイルのケアを専門とする住医師の水野は、依頼主である小山内のもとを訪れる。ウイルスに侵されたハウススネイルを救うために、高額の治療が必要だと告げられた小山内が下す決断とは。

    審査員評価コメント
    住居が生きている設定の作品は多数ありましたが、生きているからこそ、人と住居は対等な関係になることや、一緒に暮らしを楽しみ、時には住居と面倒なコミュニケーションやケアもしながら、ペットのように心理的につながる新しい世界を提示していただきました。家と人との関係性を見つめ直し、住む場所を愛する素晴らしさを実感させてくれた作品でした。

     

    【入賞】
    「そこにいるとか、いないとか」草間小鳥子(クサマコトリコ)

    「共に育つ家」猫田佐文(ネコタサモン)
    「バイオ団地」駒津ゆはり(コマツユハリ) 


    ●審査員コメント
    ・羽賀 豊(LIXIL Housing Technology ビジネスインキュベーションセンター センター長)
    2023021501_04時間軸などの様々な制約を外して、地球の持続性と住まいのあり方を考えていくために、今回のアワードを実施いたしました。未来の豊かな暮らしへの示唆に富む素晴らしい作品ばかりで、ご応募いただきました全ての皆様に、心よりお礼申し上げます。

    <プロフィール>
    2014年、株式会社LIXIL入社。ハウジングテクノロジー事業のプロダクトデザインやUIデザインを担うデザイン部門責任者として活動しながら、2019年にビジネスインキュベーションセンターの企画と設立を行い、新規事業立上げを推進中。2021年4月よりハイエンドブランド「NOEDA」を発足し、事業責任者として運営にも携わる

    ・浅野 靖司(LIXIL Water Technology Japan 事業企画部 部長)
    2023021501_05たくさんの方から着眼点の面白い作品をご応募いただきまして、誠にありがとうございました。地球や自然との向き合い方について、常識や固定概念の枠を取り払って考えていく重要性を感じ、新鮮な刺激をいただきました。

    <プロフィール>
    1990年、株式会社INAXに入社。2008年にトイレ事業部商品部長、2015年に水栓事業部 事業部長を経て、2017年 LWT Japan新規事業推進部を創部。クラウドファンディングや異業種との協業、新業界への展開など、新たな取り組みにより、「オンデマンドエコカラット」や泡シャワー「KINUAMI U」などの新規事業を複数立上げ。エンドユーザーへのスピーディーな価値提供の実現に取り組んでいる。


    ・樋口 恭介(SF作家 / anon.inc CSFO(Chief Science Fiction Officer))
    2023021501_06文芸的に優秀な作品やテーマに合致した作品など、幅広いアイデアが集まりました。特に、「社会のこういうところが嫌だ」「自分はこうしたい」という感情ドリブンで描いた作品をもっと見てみたいと思いました。SF作品の魅力を再発見した楽しいアワードでした。

    <プロフィール>
    「構造素子」で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞。「未来は予測するものではなく創造するものである」で第4回八重洲本大賞を受賞。編著「異常論文」が「SFが読みたい!2022年版」の国内SFランキング1位。その他の著書に「すべて名もなき未来」「眼を開けたまま夢を見る」「生活の印象」。


    ・大澤 博隆(慶應義塾大学理工学部管理工学科准教授)
    2023021501_07どの作品にも優れたアイデアが含まれていて、とても面白いアワードだったと思います。単なる技術を用いた社会の描写にとどまらず、登場人物たちの心情や関係性の変化に寄り添ってミクロな視点で描き、人々の想像力を喚起する作品が特徴的でした。

    <プロフィール>
    慶応義塾大学理工学部准教授および筑波大学システム情報系客員准教授、HAI研主宰者。ヒューマンエージェントインタラクション、人工知能の研究に幅広く従事。共著として「SFプロトタイピング:SFからイノベーションを生み出す新戦略」など。監修として「SF思考ビジネスと自分の未来を考えるスキル」など。人工知能学会、情報処理学会、日本認知科学会、ACM等会員、日本SF作家クラブ第21代会長。博士(工学)。



    「未来共創計画」とは
    LIXILは、誰も見たことのない世界を想像し、その世界での「豊かな暮らし」とは何かを社外の皆さまと探求していくことを目指して未来共創計画を立ち上げました。
    たとえば、無機物と有機物が融合し、持続可能な社会が成り立つ未来が訪れたとき、人々の暮らしはどのように変化し、住まいはどのような意味を持つ場所になるのでしょうか?今回は、SFを通じて思考を拡張させるSFプロトタイピングの手法を用いて、未来に向けたイノベーションの可能性を探求し、SFの社会実装をミッションとするアノン株式会社をパートナーに、未来の住まいについて描いた2篇のSF小説を公開しました。また同時に、生活者のみなさまからアイデアを募り未来を共創する「FUTURE LIFE CREATIVE AWARD」を開催しました。

     

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