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    リモコンからの解放。住む人の行動を先回りして、快適で健康的な生活を 実現するLIXILのスマートホーム構想

    リモコンからの解放。住む人の行動を先回りして、快適で健康的な生活を 実現するLIXILのスマートホーム構想 サムネイル画像
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    (写真)LIXIL Housing Technology デバイス事業部のメンバー

    玄関ドアに窓やシャッター、エアコンやテレビ、照明、浴室などの機器がつながることで、便利な生活を実現するスマートホーム。LIXILは2011年からスマートホームの実証実験を続けており、現在も埼玉県越谷市のIoT実験住宅「みらいえらぼ」にてさまざまなオープンイノベーションを推進しています。「家中の機器がつながった便利な家」から一歩進んだ、「家自体が先回りして、快適な生活を実現する家」とはどのような空間なのか。LIXILの目指す未来のスマートホーム像について、LIXIL Housing Technology デバイス事業部の奥村直人が解説します。

    四つのルームで体感する未来の暮らし

    「みらいえらぼ」はオープンイノベーションを通じて、IoT・スマートホームの進化と成長と普及に取り組んでいます。みらいえらぼという名前には「未来+家+ラボ=『未来の住宅の研究開発』」「未来+選ぼう=『未来の暮らしを感じて選ぶ』」という意味が込められており、2023年の日本ネーミング大賞を受賞しています。2022年のオープンから、すでに8,000人以上の方にご来館いただき、現在は予約から見学までは3ヶ月待ちの状態です。

    「みらいえらぼ」には“人・物・家・社会が情報で結ばれた「住生活の未来」の創造拠点”というコンセプトがあります。オープンイノベーションを通じて、社内外のアイデアやテクノロジー、サービス、トレンドを集結させて新しい価値を生み出していく。建物内は四つのエリアに分かれています。リビングと寝室と浴室を含む「プレゼンルーム」にはLIXIL最新のIoT機器が接続されていて、最先端のスマートホームを体験できます。「遠隔操作ルーム」では遠隔地のお客さまでもカメラを通して施設内を見学して、機器類を動かすことが可能です。



    LIXILが考える未来のスマートホームを提案するエリアが「未来提案ルーム」です。例えばここで展示している「VTOUCH」という製品は、指をスライドするジェスチャーだけで各種の機器類を動かせるものです。車いす利用者など、身体の不自由な方でも少ない負担でテレビや照明などが簡単に操作できます。弊社が提案したスマートホームのアイデアを、このルームでお客さまに見ていただき、感想や意見をいただいた上で商品化を検討していきます。そして、社内でIoTに関する実証・検証をする非公開エリアが「社内検証ルーム」となっています。



    実はリーズナブルで簡単にできるスマートホーム化

    基本的に「みらいえらぼ」内で動かしている玄関ドアやスマートロック、 自動洗浄機能付き浴槽、電動シャッター、スマート宅配ポスト、鍵の開け閉めの状態がわかるスマートクレセントなどの機器はLIXILのLife Assist 2に接続されており、スマートホン上からアプリで操作可能です。他社製品のエアコンや照明なども共通の規格であればLife Assist 2に接続可能です。

    LIXILが提供するスマートホームシステムのLife Assist 2は、「建材や住設や家電やセンサや情報などを利用し、安心で安全で快適で便利な暮らしを実現する『住まいのプラットフォーム』」です。大きく四つの特徴がありますが、特長の一つめは「Reasonable(リーズナブル)」です。家全体をスマートホーム化するための費用について、100万円以上を想定される方が多くいらっしゃいますが、実際には窓、玄関電気錠、シャッターなどがLIXIL製品であれば、「ライフアシスト2 ホームデバイス(税込55,000円)」の導入ですぐに実現できます。Life Assist 2の利用に初期費用はかかりますが月額使用料は無料なので、長く安心してお使いいただけます。

    二つめの特徴は「Easy(簡単)」なことです。スマートホーム化の実現には大がかりな工事が必要と思われる方が多いかもしれませんが、ほとんどの機器で追加工事などは不要です。そして、アプリのUI・UXは基本的に誰でも直感的に操作できるよう設計されています。各部屋の状態や機器使用状況はどうなっているのか、家には誰がいるのか、アイコンを見れば一目で分かる仕様です。一つのアプリで家中の建材・住設・家電・センサなどを直感的に操作・確認できることが大きな特徴です。



    三つめの特徴が「Convenience(便利)」です。Life Assist 2には「ホーム・エネルギー・マネジメント・システム」、略して「HEMS機能」が備わっているので建物全体のエネルギー管理が可能です。さらに「+αスマートホーム機能」により、建物内の機器の状態確認はもちろん、ネット環境があれば海外からでも遠隔操作ができます。家族の誰がどの機器を操作して、今どこにいるのかも把握でき、「シーン機能」により雨を感知したら自動で窓やシャッターを閉めてくれます。

    四つめの特徴が「Quality(品質)」です。こちらは、お客さまの声を反映した設計・開発から、LIXILの品質基準に基づいた調達、製品化・製造・販売、故障・不具合の備えも万全で、安心してお使いいただけるクオリティとなっています。

    住む人の健康寿命を伸ばす未来のスマートホーム

    スマートホームの今後の展開としてLIXILが目指しているのは、AIによる健康管理です。当人が努力をしなくても身体の不調を予防して、自然と健康寿命を伸ばしてくれるスマートホームです。LIXILは経済産業省が主導する「令和5年度補正PHR社会実装加速化事業(情報連携基盤を介したPHRユースケースの創出に向けた課題・論点整理等調査実証事業)」に参画しており、「もっとグッスリ More IoT for good sleep」というサービスを提供しています。「PHR」とはパーソナル・ヘルス・レコードの略で、 個人の健康データや医療データを指します。沢井製薬さまの「SaluDi」アプリや、FiNC Technologiesさまの「FiNC」アプリからPHRを取得して、日中の活動量や体調を把握することで、個人に合わせた快適な睡眠環境を提供して、適切なタイミングで住宅機器のコントロールや行動レコメンドを実施します。「入浴」「就寝前」「入眠」「睡眠中」「起床」のそれぞれの段階で、適切なタイミングで行動のレコメンドや機器を自動的に動かして、健康的な生活のサポートをします。体調が悪い日にはぬるめの湯温をレコメンドしたり、飲んでいる薬によってはお風呂を沸かさなかったり、その日に飲み忘れた薬があるときは照明を赤く点灯させて教えてくれたりします。活動量が多い日には睡眠時間を長く提案し、活動量が少ない日には睡眠時間を少なく提案することもできます。睡眠時と起床時にはそれぞれに適したアロマの香りを出すほか、光や温度を自動調整して深い眠りと快適な目覚めを提供します。



    LIXILのスマートホームの取り組みは東京大学との協働で、2011年から始まりました。スマートホームの各種実証実験や効果検証を経て、2022年にみらいえらぼはオープンしました。これからも、IoT・スマートホームの進化・成長・普及につながるオープンイノベーションの場として、さまざまなIoT実験に取り組んでまいります。

    LIXILでは、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というパーパス(存在意義)の達成に向け、常に新しいことにチャレンジしています。これまでの枠にとらわれない斬新な発想、そしてさまざまなバックグラウンドを持つ従業員の多様な視点や協業者とのコラボレーションから生まれる新たな価値-このようなことを大切にし、イノベーションを創発していくことで暮らしの未来を創造していきます。
    LIXILは今後も、私たちの行動指針LIXIL Behaviorsの一つにある「実験し、学ぶ」企業文化を醸成し、“やってみよう”と仲間が背中を押してくれる環境を整えてまいります。
    https://www.lixil.co.jp/corporate/innovation/

     

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