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    世界初となる室内側から窓に設置するロールスクリーン状の 太陽光発電設備「PVロールスクリーンシステム」の受注を開始

    世界初となる室内側から窓に設置するロールスクリーン状の 太陽光発電設備「PVロールスクリーンシステム」の受注を開始 サムネイル画像
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    (写真)屋内設置型太陽光発電設備「PV(太陽光発電)ロールスクリーンシステム」

    「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」の大賞や、「2024年度グッドデザイン賞」を受賞するなど今後の活用が期待されるソリューション

    株式会社LIXIL(以下、LIXIL)は、世界初となるロールスクリーン状の屋内設置型太陽光発電設備「PV(太陽光発電)ロールスクリーンシステム」の受注を2025年6月から開始する予定です。「PVロールスクリーンシステム」は、株式会社LIXILリニューアル(以下、LIXILリニューアル)を通じ、公共施設および法人向けに関東エリアで展開を開始し、順次展開エリアを広げていく予定です。
    ※LIXIL調べ。2025年4月14日時点。直接給電できる機能を備えたロールスクリーン状の太陽光発電設備として

    LIXILは、2022年・23年にNEDO助成事業(課題設定型産業技術開発費助成事業)の支援を受け、脱炭素社会の実現に貢献できる新しい技術の一つとして「PVロールスクリーンシステム」を開発しました。日本政府が目指す2050年カーボンニュートラルの実現に向け、ZEB化が推進されている中、特に既築ビルにおける太陽光発電設備の導入においては、設置スペースが限られていることや配線の取り廻しが煩雑であることおよび入居者への工事期間中に負担がかかることなど、大きな課題がありました。そのような課題に対応すべくLIXILでは、窓の室内側に容易に後付け設置できる「PVロールスクリーンシステム」を開発し、いち早く社会実装できるようさまざまな検証を重ねてきました。
    2024年3月には福岡県宗像市と協定を結び、宗像市内の施設3か所で実証実験を行ったほか、自社施設での検証を行い、製品化に向けた準備を進めてきました。「PVロールスクリーンシステム」を発表して以降、多くのステークホルダーの方から導入や製品化のご要望をいただいており、このたび「PVロールスクリーンシステム」の普及・利用促進に向け、マンションやビル・施設の改修を手掛けるLIXILリニューアルにて受注を開始する運びとなりました。

    「PVロールスクリーンシステム」は、従来のロールスクリーン機能である遮光性やプライバシー保護に加えて、発電や給電機能を備えております。また、断熱性能の向上やコールドドラフトの抑制効果による快適性も得られ、「省エネ」と「創エネ」により脱炭素化とレジリエンスの強化が期待されています。

    「PVロールスクリーンシステム」は、ビルの外壁や窓面に設置される建材一体型太陽光発電設設備(以下BIPV)のように、常時窓面の発電部により視界を遮られることがなく、開閉動作により必要な時に視界を確保することができます。また、本システムを全閉することにより既存窓との間に中空層が設けられ(簡易ダブルスキン化)、断熱性能の向上による省エネ効果が見込めます。さらに、新築、既築ビルの窓の室内側から少ない手間(電気工事レス)で後付け設置とメンテナンスが可能となり、BIPVの設置が難しいとされる既築ビルでの低炭素化を促進する革新的なソリューションです。
    仮に、BIPVシステムを国内の設置可能な既築ビルの窓面(1.4憶㎡)※1すべてに導入した場合、そのCO₂排出削減量は建設セクターの2030年目標の約12%に相当すると試算されますが※2、BIPVの設置が困難な既築ビルの窓部で採用が進めば、「PVロールスクリーンシステム」の発電性能や断熱性能などにより、大きなCO₂削減効果が期待できます。
    ※BIPV:建材一体型太陽光発電(Building Integrated Photovoltaics)

    「PVロールスクリーンシステム」は、 「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」での大賞受賞や「2024年度グッドデザイン賞」を獲得するなど、その技術とデザイン性が高く評価されています。今回の受注開始によって脱炭素社会の実現に貢献するソリューションとして「PVロールスクリーンシステム」のさらなる採用拡大を目指してまいります。

    福岡県宗像市との協定に関するプレスリリースはこちら
    「令和6年度気候変動アクション環境大臣表彰」大賞受賞に関するプレスリリースはこちら
    「2024年度グッドデザイン賞」受賞に関するプレスリリースはこちら

     

     

     

     

    自社社屋に設置した「PVロールスクリーンシステム」
    眩しさを抑えながら柔らかな光を室内に採り入れます

    LIIXLは今後も、イノベーションの創発により、新たな暮らしの可能性を広げ、持続可能で豊かな未来の暮らしを創造してまいります。

    ※1 NEDO委託事業 高性能高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発動向調査、2016年9月
    ※2 石井久史、壁面設置太陽光発電システム設計・施工ガイドライン2023年度版、PVTECニュース、2024年 Vol.96 3月号 2024年3月 https://www.pvtec.or.jp/data_files/view/356/mode:inline

     

    <参考資料>
    ■「PVロールスクリーンシステム」特長
    「PVロールスクリーンシステム」は、配線レスで発電や給電機能(USB Type C ⦅15W - 60W対応⦆), DCジャック)などを兼ね備えているほか、窓の室内側から容易に後付け(設置)できるロールスクリーン状の太陽光発電設備です。高い施工性やメンテナンス性を持ちながら、視界の自由度とプライバシーの両立、デザイン性に配慮しています。また、夏場は独自構造採用により、日差しを遮ることで隙間からの眩しさや暑さを軽減し、冬場は断熱性が約2倍に向上※1するなど、窓まわり全体の価値向上を実現しています。「PVロールスクリーンシステム」1枚あたり最大スマホ9台、またはPC3台分を1日で発電可能で※2、日常使いのほか災害時のレジリエンス強化にも貢献します。

    ※1 既存の単板ガラスにPVロールスクリーンシステムを後付けした場合
    ※2 実測値(千葉市、南向き、屋内側垂直面設置、3月における1日あたりの平均値)から最大値を試算、季節や設置環境及び機器により変動します。


    ●概要図
    ※PVセルには薄膜シリコンを使用しています。

     

     

     

     

     

     

     


    ● 展開仕様

    ファブリック仕様とスケルトン仕様の2種類を展開します。

      ファブリック仕様 (拡大)     スケルトン仕様(拡大)           ファブリック仕様(全体)


    ■実証実験例

    ●福岡県宗像市提携による実証実験
    2024年3月29日福岡県宗像市と協定を結び、災害時の避難場所として指定されている、宗像市役所、東郷地区コミュニティ・センター、城山中学校へPVロールスクリーンを設置し、実証を行っています。災害時の電力源としてのレジリエンス強化を確認するほか、日常においても遮光性や断熱性能など通常のロールスクリーンの使い方に加え、PCやスマホ、学習用タブレットなどの電力源として利用し、省エネ効果やレジリエンスの強化および市民への浸透を確認しています。

                                 城山中学校で行われた連携協定調印式後のPVロールスクリーンシステムに関する説明の様子

    ●自社社屋での導入事例

    ・ LIXIL千葉支社、LIXILトータルサービス千葉支店


    ・LIXIL久居工場(三重県)



    ■発売地域
    関東地域

    ■受注開始日
    2025年6月予定

    ■LIXILリニューアルについて
    マンションやビル、施設などのリニューアル工事を行う株式会社LIXILの100%子会社です。サッシ・パネルをはじめ各種専用商材も取り揃えています。

    LIXILリニューアルおよびPVロールスクリーンシステムの詳細は以下をご覧ください。
    LIXILリニューアルHP:https://www.lixil-renewal.co.jp/


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