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    水まわり空間の未来を見据えたイノベーション【1/3】

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    チャプター1:
    LWTJ イノベーション創出指針 ー 3つのイノベーション注力領域

    LIXILの水まわり・タイル国内事業(以下、LWTJ = LIXIL Water Technologhy Japan)は、2024年で100周年を迎えました。1924年にINAXの前身となる伊奈製陶を設立以来、新たな暮らしの価値を追求し続け、数々のイノベーションを創出してきました。

    私たちは、この節目となる100周年を、次の100年の成長に向けた好機と捉えています。
    今後、私たちが目指すべき技術や商品価値はどのようなものか――LWTJ デザイン・新技術統括部を中心に、将来のイノベーションを起こすために、私たちのスピリッツを再認識し、価値の方向性を検討するプロジェクトが発足しました。記事では、このプロジェクトの活動内容を掘り下げていきます。
    ※部署名は、プロジェクト活動時の表記となります。

    まずは、私たちの目指すべきノーススター(北極星、LWTJ共通価値軸)を定義する活動からスタートしました。多様なバックグラウンドを持つ従業員やステークホルダーを巻き込みながらプロジェクトを進める上で、進むべき方向性について共通認識を持つことが大事でした。

    そこで私たちは、2024年に迎える100周年を見据え、2022年10月から過去のあらゆる文献を読み解き【記録】、さまざまな部門の従業員へのインタビューを実施しました【人】。ものづくりの原点【製品】にある普遍的価値の探求こそが、この活動の目的でした。

    20250725_innovation_02                                                    (写真)LWTJ 共通価値軸の検討プロセス  ※撮影:尾鷲陽介


    【記録】過去の伊奈製陶やINAX、サンウエーブ、TOSTEMの資料を読み解き、LIXILらしさの本質につながるインサイトを読み解きました。その結果、以下の10の要素にたどり着き、先人のスピリッツを再認識しました。
    1. 1.価値創造型のサービス型企業として、理念による事業定義と付加価値創造
    2. 2.製品価値から社会的価値まで、奥行きと一貫性をもった多層的な価値構造
    3. 3.地球そのものである土、火、水、自然と調和・共生する技術とデザイン
    4. 4.製品の機能の本質を形として具現するデザイン
    5. 5.時代を超えて変わらない本質と、最先端で変化し続けるエグゼキューション
    6. 6.人間の身体感覚、生理感覚、心理感覚にトータルに応えるデザイン
    7. 7.より豊かな暮らし方を提案する提供価値
    8. 8.機能としてではなく、精神的充足のための空間
    9. 9.モノが醸し出す空間、ライフスタイル全体を演出するデザイン
    10. 10.単品としての存在感と、建築・空間との調和で美しいデザインのバランス

    【人】 幹部やキーパーソンとのインタビュー を重ね、私たちのものづくりの原点にある普遍的価値について対話しました。

    【製品】私たちのルーツとなるやきものから最新の製品まで


    この活動を通じて、私たちの内的な強み(DNA)は「自然、人間、空間を考えた思想」であることが明らかになりました。また、ものづくりに影響を及ぼす外的環境として「地球の資源枯渇、社会の変化、都市集中」という注視すべきトレンドを特定しました。

    100年にわたり培ってきた内的な強みと、それを取り巻く外的な環境変化を包括的に分析することで、『LWTJ イノベーション創出指針』として、これからの技術・商品開発の方向性となる3つのイノベーション注力領域を決めました。3つの注力領域について、もう少し詳しく解説します。

    20250725_innovation_03(写真)LWTJイノベーション創出指針


    1つ目は、自然のポテンシャルとSustainability の追求
    素材を一切無駄にすることなく、自然のポテンシャルを最大限に活用。持続的な成長に向け、事業活動を通じた価値向上と、社会や環境課題の解決におけるインパクト(良い影響)創出との両立を推進。資源の削減と循環を顧客価値につなげるものづくりを目指します。

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    2つ目は、関わる全ての人間のHealth&Well-being の追求
    エンドユーザーへの直接的な価値の追求はもちろんですが、運搬性や施工性のイノベーションも配慮するなど、関わる全ての人に身体的・精神的な豊かさや心地よさを目指します。

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    3つ目は、住環境の価値を高めるUrbanizaion の追求
    暮らしの多様化に合わせ、都市化・合理化していく住環境。文化性、精神性を踏まえ、人間・建築・都市の機能性と美しさを高い次元で統合することを目指します。例えば、日本の住宅は都市から地方に集中し、居住面積も狭くなっている傾向にありますが、こうした環境の中でも快適に生活できるよう住環境の価値を高めていきます。

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    今回は、LWTJイノベーション創出指針について、深掘りしました。次のチャプターでは、
    【イノベーションを支えてきたコア技術】について紹介し、私たちのコア技術が、LWTJイノベーション創出指針にどうつながっていくかを解説します。


     

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