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    INAXライブミュージアム企画展 Fashion On Tiles―あの時代、この国のおしゃれさん― Fashion On Tiles:Dressing Up Across Time and Place

    INAXライブミュージアム企画展 Fashion On Tiles―あの時代、この国のおしゃれさん― Fashion On Tiles:Dressing Up Across Time and Place サムネイル画像

    【会期】 2022年10月15日(土)~2023年4月11日(火)
    【会場】 INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」 企画展示室

    株式会社LIXIL(以下LIXIL)が運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)では、2022年10月15日(土)から2023年4月11日(火)まで、企画展「Fashion On Tiles―あの時代、この国のおしゃれさん―」を開催します。タイル名称統一100周年を記念する本年、当館では「日本のタイル100年――美と用のあゆみ」展に続き、タイルをテーマとした展覧会を企画しました。

    装飾タイルには、幾何学模様や植物などの普遍的なモチーフに加え、時代や地域の服飾を反映した人びとの姿が描かれています。ユニフォームの起源となるヨーロッパのミリタリーウェア、上等なシルクで身を包むイランのユニセックスファッション、重ね着テクを効かせた漢民族衣装など、人物の服飾に目を凝らすと、タイルが、ある時代、ある国のファッショントレンドを伝えていることに気づくでしょう。タイルにはさまざまな技法が施され、描かれたファッションをより多彩で豊かなものにしています。

    本展は、「世界のタイル博物館」を有する当館収蔵の人物文タイルから80余点を厳選し、そこに見られるさまざまな服飾を、タイルの用途や技法、さらに人物文タイルが好まれた文化的背景などに触れながら読み解きます。

    会場では、各国でつくられたタイルを、西洋、イスラーム、中国に分け、ファッション誌の見出しを飾るようなキャッチコピーと共に展示します。最後のコーナーでは、タイルに描かれた「おしゃれさん」を素材にした映像インスタレーションをご覧いただく予定です。

    世界各国、時を重ねたタイルをファッションという新たな視点からお楽しみください。

    ■ 開催概要
    企画展
    Fashion On Tiles―あの時代、この国のおしゃれさん―
    Fashion On Tiles:Dressing Up Across Time and Place
    【会期】2022年10月15日(土)~2023年4月11日(火)
    【会場】INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
    〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130 TEL:0569‐34‐8282 FAX:0569‐34‐8283
    【休館日】水曜日(祝日の場合は開館)、2022年12月26日(月)~2023年1月4日(水)
    【観覧料】共通入館料にて観覧可 (一般:700円、高・大学生:500円、小・中学生:250円)
    【主催】INAXライブミュージアム 【企 画】INAXライブミュージアム企画委員会
    【展示デザイン】+建築設計 田代朋彦 【会場グラフィック・映像】kobito inc. 【音楽】Yuqi Kato
    *感染症拡大防止のため企画展および関連イベントなどの実施内容を変更・中止する場合があります。当館ウェブサイトから最新情報をご確認ください。

    ■ 本展のポイント
    ・タイルをとおして出会う、世界のおしゃれさんたち
    当館が収蔵する世界のタイルコレクションから厳選された「おしゃれさん」が登場します。彼/彼女らがまとう衣装を、服飾やタイル研究者のナビゲーションとともに読み解きます。タイルの新たな楽しみ方を体験いただけます。

    ・タイルもファッショントレンドを伝えるメディア⁉
    絵画や写真などと同様に、タイルに描かれた人物文からも当時の服飾や風俗の情報を得ることができます。メディアとしても捉えることができるタイルの面白さをお届けします。

    ・展示の分類にはファッション誌のごとくキャッチコピーをつけてファッション感を上昇
    ファッション感を高めるために、ファッション誌の見出しのようなキャッチコピーを用意します。「リッチテイストの決め手」、「ちょっと背伸びの子供服」、「セレブリティのハイファッション」など、まるでファッション誌のページをめくるような感覚を会場で呼び覚ます仕掛けです。

    ・+建築設計の田代朋彦と、グラフィックおよび映像を担当するkobito inc.が手がける展示空間
    硬いタイルの存在を意識しながら、それと相反するファッションの柔らかいイメージを演出する展示空間と映像インスタレーションに、乞う御期待。

    ■ 本展の構成
    ・西洋のファッション
    オランダ、スペイン、ポルトガル、イギリスほか数カ国の人物文タイル約50点を9つのグループに分け、それぞれキャッチコピーをつけて展示します。例えば、「ユニフォームの起源 ミリタリーウェア」では、主に17世紀の軍服をまとったオランダの人物文タイルが並びます。17世紀はヨーロッパで軍服がユニフォーム化された時代です。タイルは当時も今も人気の、白地に藍彩が美しいデルフトタイルです(写真1)。時代は下り「子供服の誕生」は主にイギリスのタイルから。19世紀まで子供服のデザインは成人服と同じでしたが、19世紀ヴィクトリア女王時代のイギリスで子供服独自のものとなりました。セーラー服も子供服として大流行(写真2)。

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    20220915add7・イスラームのファッション
    イスラームからは17~20世紀につくられたイランのタイル10数点を3つのキャッチコピーのもとに分けて展示します。イスラーム化後の中東、特にイランでは、遅くとも13世紀初頭までに、男女共通の、長衣とブーツとを組み合わせた装いが定着していたようです。キャッチコピーのひとつ、「ユニセックスでいこう」で展示される多彩物語図組タイル(写真3)は一つの絵に二つの物語が描かれています。下部に描かれた人物は怪物を退治する王です。王が着ているボタン付きのチュニックは、略式の軍衣と思われます。

     

     

     

    中国のファッション
    20220915add8-1紀元前より続く、中国の服飾史。上流階級の服制は時の覇者により改正されてきましたが、漢民族が好んだ比較的ゆったりとした衣服がベーシックアイテムでした。ここに並ぶ18点の中国タイル(陶板)にも、漢民族の服装(漢服)を着用した表現が多く見られます。これらは後世、陶板をつくった時代の人びとがイメージした漢服のため、時代の特定がむずかしいですが、明・清時代をベースに描いていると想定されます。「ヒラヒラ揺れる飄逸(ひょういつ)感」で展示される赤絵仙女図陶板(写真4)は幸せの神々「八仙」のひとり、何仙姑(かせんこ)。スカートや肩のストールからシルクのしなやかな動きが見て取れます。

     

    ・映像インスタレーション
    タイルに描かれている「おしゃれさん」たちがタイルから抜け出し、いろいろな仕掛けで動き出す?! オリジナルの音楽とともに楽しめる、そんな映像を予定しています。


    ■ 関連イベント
    講演会「~イスラームのタイルから読み解く~ 人々の装いとタイルの魅力」
    講師:神田 惟(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 特任助教)
    開催日時:2023年2月11日(土・祝)17:00-18:30
    参加費:1200円(税込)*入館チケットおよび展覧会関連冊子付き
    定員:40名
    申込受付開始日:2022年11月1日(火)
    ※お申込み方法などの詳細については当館ウェブサイトをご覧ください。
    ≪トークの内容≫
    イスラーム美術史を専門とする神田惟氏を講師にお招きし、実物資料がほとんど残されていない時代のイスラームのファッションを、今に残された絵画やタイル絵から読み解いていただきます。あわせてタイルにも焦点をあて、施されている技法や描かれている物語などにも触れながら、イスラームのタイル文化を語っていただく予定です。

    ■ 関連冊子のご案内
    『Fashion On Tiles―あの時代、この国のおしゃれさん―』
    2022年10月15日発刊予定 定価550円(税込)p36 全カラー頁

    「世界のタイル博物館」を有する当館収蔵の人物文タイルから80余点を厳選し、西洋、イスラーム、中国に分類されたそれらをファッションの視点から読み解く、カラー図版満載の一冊。時代と国が異なる「おしゃれさん」のファッションをタイルの魅力とともにお楽しみいただけます。

    執筆者:朝日 真(文化服装学院 西洋服飾史 専任教授)、
    ハンス ファン レンメン(欧州タイル史家、Tiles and Architectural Ceramics Society(英国)会長)
    クリス ブランシェット(Tiles and Architectural Ceramics Society(英国)名誉会員)
    神田 惟(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 特任助教)
    栗城延江(中国服飾研究家)・古田真一(帝塚山学院大学名誉教授)
    *INAXライブミュージアム内ショップおよびLIXIL公式オンラインショップで購入可。

     

    <ご参考>
    タイル名称統一100周年記念ロゴマーク2022031001_12

    全国タイル工業組合は、2022年4月12日でタイル名称統一100周年となることから、4月12日を「タイルの日」として記念日登録するとともに、記念のロゴマークを制作しました。

     

    ■INAXライブミュージアム概要
    『INAXライブミュージアム』
    所在地:愛知県常滑市奥栄町1-1302022031001_13
    TEL:0569-34-8282
    休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
    共通入館料:一般:700円、高・大学生:500円、小・中学生:250円
    ホームページ:https://livingculture.lixil.com/ilm/
    LIXIL文化活動Facebook:https://www.facebook.com/LIXIL.culture

    やきもの製品のテクノロジー拠点、愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。「窯のある広場・資料館」「世界のタイル博物館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「やきもの工房」の6館から成る“体験・体感型ミュージアム”。
    土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。

     

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