Design Management Instituteの調査によると、デザイン重視の企業は、株価の伸びが相対的に高いことが明らかになっています。¹ デザインの力を、どのようにブランド構築やイノベーションの創出につなげていくことができるのでしょうか。トイレやキッチン、窓やドアなど、水まわりと住まいに関わる幅広い製品を扱うLIXILでは、デザインを経営に生かすための新しい挑戦が始まっています。
2020年1月に、LIXILのデザイン戦略をさらに強化するため、Chief Design OfficerであるPaul Flowersが東京、ニューヨーク、ロンドン、デュッセルドルフ、上海、シンガポールなど、世界各地に展開するデザインセンターや、全ブランドを統括するLIXILグローバルデザインチームを発足しました。LIXILとして統一したデザイン思考を反映できるよう、全てのブランドを1つの組織に統合し、組織全体の経営戦略にデザインを組み込めるような体制になりました。
国内で住宅用建材事業を手がけるLIXIL Housing Technology(LHT)のデザインセンター長である羽賀豊の下では、商品企画の段階からデザイナーが関わるデザインプロセスを推進してきました。新しくできた東京のLIXIL Design StudioでLHTを率いる羽賀は、こう話します。「家というものは一度買ったら、基本的には一生涯住むところであり、いつまでも快適に、常に満足して使ってもらうという根本の考えを大事にしています。これまで、私たちは家にまつわるあらゆるものを各々にデザインしていましたが、それに加えて、今はそれらが組み合わさって生み出されるデザインの総合力を重視しています。なぜなら一つの家に集約した時に生まれる“調和”が、家に住む人々に満足し続けてもらえる一番の要素だからです」。生活者のニーズを的確に捉え、デザインとテクノロジーを融合させることで、新たな価値を生み出す商品開発を加速させています。
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